ちなみに他の剣レベル100を超えるような人たちは、それぞれ3つの領で騎士とかをしているらしい。
 そんな話をしながらも歩みは止めなかったこともあって、街の入口までもうすぐになった時、ニテはまた一匹でどこかに飛んでいった。
 ドラゴン連れて歩いていたら目立ってしょうがないということなのだそうだ。
「魔法で見えないようにすることも出来るけど、わかる人には魔法使ってることがわかるから、不用意に魔法を人前で使いすぎないほうがいいしね」
 詳しい原理はさっぱりわからないが、光の聖霊の力を借りて、屈折率を変えることで見えないように出来るらしい。
 町に入ると、首都なだけあって人の数も大違いだ。
 馬車も多く走っているし、前の町では見なかったような生き物を連れている人もいる。
 こんな中なら一人くらいドラゴンを連れていても大丈夫なように思えるのだか、そこはそうは行かないのだろうか?
 前の町とは比べものにならない程大きな町だが、透はここに来たことがあるのか、迷うことなく進んでいく。
「まずは宿の確保だな」
 そう言う透に
「それならこの先に、食事もうまくて値段も安いっていう用心棒御用達の店があるぞ」
 ガースがそう言って案内してくれた町の入口からほど近い店は、本当に御用達なのか、併設されている一階の飲食店を見た時点で、鎧を着ている人の割合が多い。
 入ったすぐ脇にある受付で二つ部屋を頼むと、すぐに入ることが可能だというので、まずは荷物を置くことにする。
「俺たちは荷物置いたら一度レベル屋へ行って、いい仕事が入ってるか見てくるつもりだが、お前たちはどうする?」
 当然この後の予定の決定権なんてない俺は、透の方を見る。
「食料の調達には行く予定ですけど、その前に一度部屋で休みたいですね」
 確かに、二日連続の歩き通しで、間の一晩は野宿だったので、疲れたといえば疲れている。
 用事が済んだら下の階で一緒に食事をとることにして、シンとガースとは一旦分かれることになった。
 ツインの部屋は基本的には普通のホテルとあまり変わらない。
 明かりが蝋燭と、魔石を使うランプしか置いていない所が違う位だろう。
この間泊まった所も多分そうだったんだろうが、気が付いたら朝だったし、そんな事を気にしている余裕自体なかった。
 休むと言っていた透だが、部屋に入った途端に魔石を取り出し、結界を張る。