「定年まで働ける県職員の仕事を捨てて、こんなところ(南米チリのど田舎)でこんな暮らし(農業と山羊飼育)をしてて、よく貴女の親は許してくれたもんだ」
そうやって日本人の年配の男性に言われたことが一度とならずあります。
移住当初は電気もインターネットも無い今よりもっと惨めな暮らしだったので、言われて当然だったかもしれません。
私より年下の日本人の女性にも言われました。
「私はこんなところでは夢を描けないわ!」
大口論して絶交した人もいるし、グッとこらえて笑ってごまかした人もいますが、こういう言葉に傷ついたことは忘れません。
農業や製造業の価値ってゼロからスタートした人でないと、分からないんだろうなあと今はその発言した人の感覚が理解は、できます。
だから私は世間を騒がせた川勝知事の言葉に腹はたちません。
ただ、
「あ〜あ、言っちゃったよ、例え皆がそう思っていても、うまく隠して表立って言わないようにして社会が回っているのに、それを言うのが一番知性が無いんじゃないのかな?」
そういう感じです。
つい本音が…って感じだから、またどこかでポロッと出るでしょうし、本心は辞任に追い込まれたことを腹立たしく思っていることでしょう。
それに対し、芸能人、コメンテーター、元政治家、脳科学者、起業家、学識経験者、現在の各自治体首長からも続々と知事への批判が止まりません。
「勝ち馬に乗る」っていうんでしょうか?
それとも「鬼の首をとったかのよう…」とでも言うのでしょうか?
今、アンチ川勝知事で「職業に貴賤なし」っていえば、自分は国民の味方、自分は高学歴ですけど、そんなこと思ったこともありませ〜ん!って位置を明確に出来るチャンスとばかりに次々とこの発言に反対意見を表明する有名人たち。
嘘くさいなあ〜…。
茶番だなあ〜。
実際はほとんどの国民が高学歴になりたいし、第一次産業にはつきたくない、子供をつかせたくないって思ってるでしょう?
それなのに、つい不用意な発言の知事を血祭りにあげ、おまけに自分はそんなこと思った事もないって顔をするのは、失礼ながら発言への怒りからのアンチ発言というよりは、自己保身・大衆迎合発言がミエミエですよね。
第一次産業の方が知事に対して「侮辱だ、失礼な!」と怒るのは、お気持ちよく分かります。
本当に日本の農家さんは私が足元にも及ばないほど働き者で、私は心から尊敬しています。だから私は農家になりたいと思ったし、今も農業をしているのですからね。
ただ高学歴の政治家や学識経験者が
「農家に謝れ!」
と居丈高に言う事には物凄い違和感なんですよね。
「あなた方は農家さんの代弁者じゃないですよ。
農家さんの言葉まで想像で発言するほうが失礼でしょ?
農家さん自身の言葉に耳を傾けてくださいよ。」
そう、一農家としては思います。
アンチコメントすれば簡単に国民の人気がとれると本気でおもっているとしたら、国民も馬鹿にされたもんですね〜。
川勝さんの言葉より、私はこういう外野の芸能人とかマスコミ界のコメンテーターの偽善ぶった態度のほうに腹が立つんですけどねえ。
私がひねくれ屋なせいかなあ。
(言いたい事が長くなったので、明日に続けます)