ホルヘさんは年齢は34才。大柄で優しく穏やかな青年です。大学で学び社会の先生の資格を持っています。
カミラさんは20代後半。100kgを超す大きな体ながら運動神経もよく、走るのも速く、スポーツが好きで柔道以外にボール競技にも参加しているそうです。
彼女は大学で理学療法士の資格を取るために勉強をしています。
(写真中央の背の高いのがホルヘ、その右横がカミラ)
私が日本に一時帰国している間に、南米パラ大会の柔道のナショナルチームの監督が、グスタボと友達で、柔道大会のための練習場所がないからラセレナ市で合同練習できないだろうかと打診があったそうです。
その視覚障害者の柔道ナショナルチームの来訪にあわせて、ラセレナ市在住で視覚障碍者でスポーツをしているホルヘとカミラという二人と私たちのクラブが出会うことになりました。
20年ほど前に視覚障害の生徒に柔道を教えた経験もあるグスタボは、もちろんこういう機会を喜びました。
私たちのクラブはガンガンしごくスパルタ式のブラック部活のような柔道ではなく、柔道をとおして自己の成長や他者とのかかわりを学んでほしいと思っているクラブです。
バリバリのスポーツマンからしたら、かなりゆるいクラブですが、ホルヘとカミラの参加は私にはとても素晴らしい多様性を学ぶ機会だと思い大歓迎の気持ちでした。
私は彼らに言いました。
「ホルヘ、カミラ、あなた達二人がこのクラブに参加してくれてとても嬉しいわ。子供たちにとって視覚障碍者の方に生活の中で出会う機会はそんなに無いと思うのよ。
あなたたちが来てくれることで、彼らには視覚障害がどういう障害なのか、そしてどういうサポートが必要なのか分かるし、今後の人生において様々な障害を持った人に出会ったときに躊躇せずに手を差し伸べる人になってほしいと思ってる。
それを自然な形で、一緒に同じ時間をすごせるなんて本当にありがたいことだと思ってるの。
ただ私たちもどうしていいかわからないことが多いから何でも言ってね!」
そう、彼らに伝えました。
「こちらこそだよ。なんでも質問してくれるほうが嬉しいんだ。僕は自分のことをこうやって話すことが出来て嬉しいし、僕たちを受け入れてくれて本当に感謝してるよ」
ホルヘは言いました。
そんな会話から4か月、彼らは毎週土曜日だけ練習にやってきます。
次回に続きます。