胃の調子が少し良くなったこともあり、力仕事をして働いています。
そして、疲れるとどうしても不機嫌になるのが、私という未熟者です。
「私ばっかり働いて、家族皆はどうなの!?」と怒りだしたくなる気持ちを我慢して暮らしています。
プレーンのものを最初に、そしてオリーブ入りのパン、最後にシナモン・ロール風にココア風味で味付けたチョコ・ロールをオーブンに入れ、次男にタイマーをつけるように言い、また外へ働きに出ました。
しばらくしたら長男が、お茶入ったよ!と呼ぶので疲れた身体をひきずって家に帰ると、このチョコ・ロールが見事に焦げている!
「僕はお茶準備してたから知らなかった。次男が焦がした」と責める長男。
「タイマーが鳴ったので消したけど、オーブンを消し忘れた」と落ち込む次男。
と他人事のような長女。
そこで私の怒りが爆発!
「はあ? ふざけるんじゃないよ。3人も家にいて、オーブンからの焦げてる匂いも感じないわけ!? アンタたちはママに言われなかったら、家がボヤを起こしても知らなかった、自分の責任じゃないとか言うわけ?!」
みんなシューンと下を向きました。
一気に空気は凍りつき、不機嫌沼の住人の私がこの場のネガティブリーダーに変身し、空気を制圧してしまいました。
シーン…。
それでもチョコ・ロールパンを炭焼きパンにしてしまった子供達への怒りは収まらず、バッターンと激しくドアを閉めて、また外へ働きに出かけました。
ムカムカ、イライラ。
疲れてるんだよ!
お腹空いてるんだよ!
甘い物食べたかったんだよ!
怒りは収まらず私の不機嫌は増すばかり。
15分ほどたったら、最初に長男、それから次男、最後に長女が神妙そうな顔つきで手伝いにやってきました。
「ママ、手伝うよ。何すればいい?」
と反省顔の子供達。
…私って、本当に怖い鬼婆のような母親ですね。
恥ずかしいです。
パンが焼ける10分くらい待っていれば良かったのに。
10分くらい何とでも待てる余裕があったのに。
子供達に当たり散らして。
働き過ぎて疲れていると、ほんの小さなことがきっかけで爆発します。
たまに街で見かける不機嫌な人、声を荒げる人なども、きっと私と同じなんでしょうね。
別にそんなにいつも怒りまくってるわけでも、性格破綻者でも暴力的なわけでもない。
ただ、不機嫌ガスがたまりにたまっていると、ちょっとしたことがきっかけでドカン!と引火してしまう。
あとから後悔するんですけどね。
ちょっとしたことで引火して爆発しないように、日頃からガス抜きして、不機嫌ガスを溜めないように、あまり働き過ぎないほうが良さそうです。
ふとこの詩を思い出しました。
茨木のり子さんの
「自分の感受性くらい」
これを
「自分の機嫌くらい
自分でとれ
ばかものよ」
と言い換え
自分の心に刻んでおきます。
自分の感受性くらい 茨木のり子
ぱさぱさに乾いてゆく心をひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志しにすぎなかった
駄目なことの一切を時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ