年末の30日、私にとって大きなイベントごとがありました。
ラセレナ市にある音楽アカデミー「ペドロ・アギーレ・セルダ」が年末コンサートを開きました。曲目は、宮崎駿監督の映画音楽担当の巨匠、久石譲さんのもの。
題してスタジオジブリ・シンフォニー。
主催者の方がラセレナ市に日本人が居ると聞いたからと私にコンタクトをとってきたのが11月半ばのこと。コーラス部分の日本語の発音が正しいか指導して欲しいと請われ、2度ほど練習の場所に足を運びました。
Academia de Música Pedro Aguirre Cerda https://g.co/kgs/moT6WBD
赴任したばかりの柔道隊員の彼女と、その練習風景を覗いてビックリ。
なんと真剣で、そして殆ど発音を訂正する必要がないほど、ほぼ完璧なコーラス。
歌う彼らにはその単語その文章の意味さえ知らないというのに、なんと美しいハーモニーを奏でることでしょう!
もうすぐに涙腺がゆるみそうになりました。
こんな南米チリの地方都市、25万人ほどの市の民間の音楽アカデミーで、こんなに熱心にジブリ作品が好きだったり、歌うのが大好きな人達がコンサートをするなんて!
日本人としては嬉しいのを通り越して感動です。
それからしばらくたって主催者の方から、開会の時に来賓挨拶をして欲しいと頼まれたのは開催日の数日前。
「え!? 私、音楽のことも何も知らない平凡な日本の民間人なんだけど、良いの!?」
と思いました。
でももし私が日本の25万人ほどの小さな地方都市に住んでて、たった一人チリ人が日本人と結婚して18年もその街に住んでいることを知って、おまけにチリのフォルクローレ歌手のビオレタ・パラの音楽コンサートを開くとしたら?
きっと私もその人を来賓として紹介するだろうな、と思ったので、お申し出を快く引き受けることにしました。
それに何千人という聴衆の前でお話し出来ることなんて一生で最初で最後かも!
楽しまなくては損ですもんね!
でも日が近づいてきたら、ヤッパリうーん、引き受けて良かったのかなあ、何を言おうか?緊張もしてきます。
連れ合いのグスタボが発言の原稿を書いてやるというので、お任せすることにしました。
私の言いたいことよりも、チリ人が日本人に喋らせたい言葉が分かってる彼が書いたほうが良いに決まってる、そういう合理的判断ですね。
ただ、グスタボは「チリ人は詩が好きだから日本の詩を読め」という注文。
いや〜、私は文芸には疎くて詩なんて全然浮かばないよ、と断っていましたがグスタボは譲りません。
「絶対に受けるから!」
彼が日本の詩のスペイン語訳とググると色々出てきたけれど、聞いたこともない詩人や小林一茶や松尾芭蕉。
うーん、なんか違うんだよな〜。とググッていて、ハッと思い出しました。
あの詩ならどうだろう?
検索して全文チェックしてみました。
これなら翻訳も楽そう!
パパパーっと翻訳して、グスタボにスペルミスや語法のおかしい所を訂正してもらい、すぐスペイン語訳の完成です。
さて、この数時間後は子供達に浴衣や着物を着せて私も着物を着ていざ、出発です。
(続きは明日のブログで)
(13歳娘に着せました。)