姉とLineの電話で話をしていたら、
「ねえ、ヤギのチーズってどうやって作るの?」と聞かれました。
そういえば一度としてチーズの詳しい作り方についてブログに書いたこともありませんでした。
私たち家族の備忘のために、ここにレシピを書いておきます。
65度30分の殺菌後、37度に下げてからチーズづくりスタートです。
最初に少量の水で溶いたフランス製の乳酸菌を入れて20分経過後、少量の水で溶いたカルシウムを入れ20分、最後に凝固剤を溶かした少量の水を投入して20分待ちます。添加物を投入する時点はいつも37度です。
型に入れて押し付けます。
こうやって型を上から押して、乳清を出すようにします。
一晩重しをして置いてから、チーズ庫へいれます。
温度15度、湿度75%ほどにキープされたチーズ庫のなかで管理します。毎日上下ひっくり返し、2週間すぎれば熟成チーズと言えます。
表面に白いカビと青いカビ。お客様はビックリするでしょうが、これだけ立派なカビ状態になったほうがずっと塩気がまろやかに美味しくなっています。
チリ大学の農学者でチーズの普及に貢献してくださっているチーズづくりの師匠のクラウディア・トーレスさんによれば、フワフワ胞子が出たカビが出るのが理想的なカビだそうです。
チーズは発酵食品なのだと思わされます。
本当に奥深い世界です。
半分表面を削ると、中はこんなに綺麗で、絶品の熟成チーズです。
以前、フランス人のお客様が絶賛してくださり、母国までお土産に持って帰ってくださいました。
チーズづくりに自信がつきました。
チーズ庫で2週間以上熟成し、表面のカビなどは削った後で、真空パックして冷蔵庫で保管します。
削ったカビのついた表面部分が美味しいんです! チーズの表面の削りカスは、週末のグスタボと私のワイン飲みの最高に美味しいツマミになるんです。
一ヶ月以上たって、黄色が増し、自然に白い粉がふいたような熟成チーズ。乾燥して収縮するので形は
少しいびつになります。
そして今日も私は山へ、ヤギの放牧に出かけていき、この雄大な景色に魅了されています。
山羊は私にとっての仕事のパートナーという存在です。畜産業というのは、生き物の生死に付き合い、時に辛いこともありますが、美味しい生産物が出来たときの達成感や、動物との連帯感は何とも誇らしい気持ちがするものなのです。
農林畜産業の仕事は楽ではないけれど、毎日発見がある素敵な仕事です。この魅力を農業者自らが発信していくべきと思って、日々ブログを書き続けています。