「うぬうぬど けんどわだれば ひがれるろ」。青森県弘前市の城東小の通学路に設置され、ツイッターなどで津軽弁が「難しすぎる」と話題になった交通安全標語の看板が、「名物看板」として残されることになった。「つけらっと」「はかめいで」など、こちらも難解な津軽弁で書かれた新作4点も今月からお目見えし、地域の交通安全に一役買っている。毎日新聞 「名物看板」として残される津軽弁の交通安全標語

 弘前交通安全協会和徳支部が、管内の交通事故防止を目的に10年以上前から行っている取り組み。当時会員だった現支部長の原田利昭さん(67)が「年配の人にも分かりやすいように津軽弁の標語にしてはどうか」と提案したのがきっかけという。以来、五・七・五の「交通安全おもいやり俳句」として同小の6年生から毎年募集し、設置してきた。

 「うぬうぬど」は、取り組みの初期の頃に当時の6年生が考えた標語で「急いで道路を渡ると(車に)ひかれるよ」という意味。すべて津軽弁のため、県外の人から「解読不可能」とツイッターなどで話題になった。古くなった看板は順に撤去し、新しい標語の看板と入れ替えるが、「『うぬうぬど』は完成度や話題性から地区の名物看板として残すことにした」(原田さん)といい、同じ標語の新しい看板を設置した。

 一方、「おもいやり俳句」はここ数年は標準語での応募が多くなっていたが、今年は改めて津軽弁を使った標語を募集した。選んだ新作4点の看板は同小の校門前に設置。いずれもこれまでと比べて負けず劣らずの難解な津軽弁で書かれた作品がそろい、原田さんは「どれも力作ばかりだ」と太鼓判を押す。

 同支部管内は、国道7号が通る交通量が多い地区だが、2000年9月以降、約18年間、交通事故による死者はいない。原田さんは「津軽弁の標語も確かに効果はある。ただ、地域や学校が一丸となって交通安全活動に協力してくれているのが大きい」と話す。

 同小の通学路には約50枚の看板が設置され、新作も含めて14枚が津軽弁。原田さんは「標語が目を引き過ぎて、ドライバーが事故を起こすと困る」と苦笑するが「子供たちに交通安全の意識を高めてもらうためにも続けていきたい」と意気込む。同支部管内では7月12日で交通死亡事故ゼロ6500日になる。原田さんは「(支部の)先輩たちの意思を受け継ぎ、7500日、8000日と続け、事故のない街を目指したい」と話している。