ねこうさです。
6/30(金)〜7/9(日)迄大学のスクーリングの授業を受けて来ました。
今回の授業はブックバインディングというもので、市販の本を2冊持参し補修と製本の作業をしました。もちろん美大の授業ですから表紙デザインは全てオリジナルで新調します。
①和綴じのノート
②樹脂糊で成形された角背の文庫本
③クータを入れて丸背に仕上げる丸背の糸綴じ本
④時間の余裕がある人は③を収納する箱
を制作しました。
①の、和綴じノートは準備運動的にサラッと作り
↓
②の、角背の文庫本は、表紙を剥いて堅い表紙に作り直しました。一応美大なので即興で表紙デザインを考えて新しいデザインに差し替えます。
これはコツコツ黙々の作業。手先を動かしますが余り脳みそを動かす授業ではありません。新しい本を作る為に図面をひきますが、CAD程の正確さは全く求められず0.5mmシャープで引く製図程度。こちらは順調に作業を進める事ができました
③の、メインは丸背の糸綴じ本です。
↓持参した糸綴じ本の
分解、掃除、修復 から始まります。↓
1️⃣表紙を剥がす
2️⃣糸を切って解体し
3️⃣中の本文に付いた膠を丁寧に剥がし
4️⃣本文を和紙で修復、プレス、乾燥
5️⃣新しい糸で綴じる
6️⃣新しい布を表紙を硬い段ボール紙に貼って本の体裁をつくりデザイン、プレス、乾燥を同時進行
7️⃣表紙と裏表紙のデザインの仕上げ
既に傷んだ古い書物の補修作業って神経を使うのですね。これ以上ダメージが広がらない様に恐る恐る作業して遅くなってしまいました。傷みが酷かった上に折り丁のサイズがバラバラだった為作業に人一倍手間がかかり…限られた時間の中で完成させるのはとても苦労しました
見本を見せて下さる先生は目分量でピッタリの寸法を取れるのですが私はキッチリと測らないとズレズレ…先生の目分量の大雑把さに似合わない超速スピード実演に戸惑うばかりでした。
クラスメイトも同じ様子でかなり戸惑っていましたがくらいついて授業について行く姿が印象的でした。
↓左は角背の文庫本 ↓右が丸背の糸綴じ本
裏表紙のデザインも手を抜かない様指導がありました。デザイナーらしく裏もビーズを使ったり、和紙で装飾をしました。
オイルの匂いがいかにも美大らしい油絵学科の校舎で行われ、PCルームを使うデザイン科の私にはとても新鮮でした。
とても疲れましたが、慎重に古書を扱う術を今後も学び続け文献の修復も出来るレベルになれば文化芸術にも携われるチャンスがあるのかと嬉しく思いました。