発表会前、追い込み中です。

 

先日楽譜を忘れてしまったということで買った校訂解釈版ですが、これがとても参考になってます。

 




この版を買うときに、前書きと改定方針を呼んだのですが、編者の園田孝弘さんの考えが詰まっていて、そこにとても共感というか、なるほどと思たのです。20年前の出版です。

 

抜粋して要点を書くと

・「原典版」に対するブームや意識が強いが、そこに対する園田さんなりの違和感。校訂、解釈版がたくさん出てきているものの、これらの版に対しての評価は高くなく、間違っているかのように追いやられてしまっている。現実の音楽教育に対してはゆゆしき事態

・昔の音楽を職業とするひとたちは、書かれた音符を見てその背景も理解し得た。ダイナミクスに対する表記も書かれていなく、バロックの時代を通じてもそう。

・時代が進んで楽器の進歩があり、ベートーヴェンの時代には楽譜表記はほり詳細に細密になる。彼の時代の初期フォルテピアノから、中期・後期を経てハンマー・フリューゲルへと進む楽器の発展とも密接なつながりがあり、楽譜の表記も変遷している。

・我々の時代は現代のピアノでベートーヴェンの作品を演奏してきている。そのための演奏に対する幾多の解釈が過去においてなされてきたことは当然であり、受け継がれ「演奏の伝承」がなされてる。

・原典の意味が新たに問い直されること事態は意義があるが、多くの偉大な演奏家たちの遺産である、注釈版、解釈版を知っていることも同じく大事である

 

改定方針については、

・改定方針については、自筆譜および原典版をはじめ、各種改訂版を参照

・そのうえで、当版は、高知恵者による演奏解釈譜と称されるもの。スタッカートやアクセントなどや、フレージングスラーなどは適宜補充し、演奏上の提案としている


へー、なるほど。


こちらが、ヘンレの原典版。
・スタッカートではなく、「スタッカーティシモ」が使われていること
・ペダル表記がない
ということが結構悩ましい問題でした。

特にこのワンフレーズ目の解釈に中々たどり着けなくて。




こちらが、園田高弘校訂解釈版。
・普通にスタッカート
・ペダル表記が細かく入ってる

これで一気に理解が高まりました。


ペダルの表記がとても演奏解釈に役立つのですが、徐々に踏んだり、少しずつ上げたりというのが視覚的に分かります。
2小節目は少しずつペダルを上げることで、スタッカート感を出すということ、だったり、その次は頭のスラーに向けてペダルを意識したりと。

なるほど〜。

色々と読み込んで試すのが楽しい。
のですが、もう本番が明後日というガーン
通すとまだ完成度が低いところが如実に表れます。
正念場、、です。