アメリカにおけるキャリアトランジション

セカンドキャリア第5弾として、今回は「キャリアトランジション」という考え方を紹介したいと思います。

 

現代社会において、一つの職業に一生涯を捧げるという考え方は少なくなってきています。特にアメリカにおいては、人々が自分自身を見直し、新しい職業に転身することを「キャリアトランジション」と呼んでいます。この記事では、アメリカにおけるキャリアトランジションについて探っていきます。

 

キャリアトランジションとは?

キャリアトランジションとは、一つの職業から別の職業に転身することを指します。これは、自分自身のキャリアについて考え直す機会を与えるものであり、人生の中で新しいチャレンジに取り組むことを促します。

 

アメリカにおいては、最近では高齢者を中心にキャリアトランジションが増えています。それは、医療技術の進歩により健康状態が改善されたことや、長時間働く必要がなくなったこと、そして、技術革新によって新しい職業が生まれたことが原因の一つです。

 

そして・・・

 

キャリアトランジションを成功させるためには、自分自身を知ることが重要です。自分がどのようなことに興味があるのか、どのようなスキルを持っているのか、そして、どのような職業が自分に合っているのかを理解することが必要です。

 

また、キャリアトランジションを成功させるためには、教育を受けることも必要です。新しい職業に必要なスキルを身につけるために、カレッジや大学に戻ることもあります。

 

特に最近では、キャリアトランジションが増えているという傾向があります。これは、人々が自分自身を見直し、新しい職業に挑戦することを求めているからです。自分自身を知り、教育を受けることによって、新しい職業に転身することができます。キャリアトランジションを成功させるためには、自分自身に正直であることが重要です。


 

アメリカにおけるキャリアトランジションについて・・・

 

アメリカでは、従来の雇用形態が変化し、一つの企業で長期間勤め上げることが少なくなりました。それに伴い、自身のキャリアを管理し、転職や転換を行う必要性が高まっています。しかし、新しいキャリアに転換するためには、新しいスキルや知識を身に付ける必要があり、それが一筋縄ではいかない現状があります。

 

このような中、アメリカ政府は、労働者がスキルや知識を身に付け、自身のキャリアを管理しやすくするための取り組みを進めています。たとえば、国立労働安全衛生研究所(NIOSH)が、労働者が職場で必要とされるスキルを習得するためのプログラムを提供しています。また、政府は、職業訓練プログラムを展開し、新しい職業に転換するための支援を行っています。

 

このように、アメリカでは労働環境が変化し、新しいキャリアに転換する必要性が高まっています。政府が労働者に対して支援を行い、新しい職業に挑戦することができる環境が整備されているのも特徴です。

 

キャリアトランジションの具体例・・・

 

職種の変更:同じ業界内で別の職種に転職する、あるいは異なる業界に進むことができま 

す。たとえば、エンジニアからデザイナーに転職する、営業職からマーケティング職に転職するなどが考えられます。

 

自己雇用の開始:独立して自分自身でビジネスを開始することも、キャリアトランジションの一つです。フリーランスとして仕事をすることも考えられます。

 

教育・資格取得:新しいキャリアに進むために、必要な資格や技術を学ぶことができます。たとえば、プログラミング言語の習得や、MBA取得などが挙げられます。

 

産業の変化に対応:産業の変化に対応して、新しいスキルを身につけることが必要になる場合があります。たとえば、自動運転技術が普及することで、運転手から自動運転システムの専門家に転職することが必要になるかもしれません。

 

国内外でのキャリアトランジション:海外に転勤する、あるいは留学して新しい分野に進むことも、キャリアトランジションの一つです。

 

以上のように、キャリアトランジションには多様な形があります。人生のさまざまな局面で、自分自身のスキルや人生観を見直して、新しい道を模索することが求められるかもしれません。

 

ここまでは一般的は話ですが、ではスポーツ選手は・・・

 

スポーツ選手は、現役時代に最高のパフォーマンスを発揮することが求められますが、そのキャリアは短命である場合が多く、引退後には新たなキャリアを模索する必要があります。具体的なキャリアトランジションの例としては、以下のようなものが挙げられます。

 

コーチや解説者:選手時代に培った技術や知識を生かして、コーチや解説者として活躍することがあります。

 

管理職や経営者:スポーツビジネスの世界で活躍するため、経営学の学位を取得することや、経営者としてのスキルを磨くことが求められることがあります。

 

スポーツ関連企業への就職:スポーツ用品メーカーやスポーツマーケティング企業など、スポーツに関連する企業での就職があります。

 

再教育:異なる業界への転職を目指すため、大学や専門学校で再教育を受けることもあります。

 

ボランティア活動:スポーツに関するボランティア活動や、社会貢献活動に参加することもあります。

 

これらのキャリアトランジションは、スポーツ選手にとっては大きな変化であると同時に、新たな可能性やチャンスを開拓する機会でもあります。

 

また、

 

アメリカの大学では、卒業後のキャリアトランジションを支援するために様々な取り組みが行われています。

 

まず、多くの大学がキャリアセンターを設置しており、学生が卒業後の進路について相談できるようになっています。キャリアセンターでは、就職活動のアドバイスや職業探索に役立つツールの提供、企業とのコネクションの提供などが行われています。

 

また、大学ではインターンシップや就職先との連携プログラムなども実施しています。これにより、学生が実践的な経験を積んでキャリアパスを考えることができます。

 

さらに、大学では専門的なスキルを身につけるためのプログラムも提供されています。例えば、ビジネススクールでは経営学やマーケティングなどの専門的な知識を教え、工学部ではプログラミングやデザインなどのスキルを教えています。これにより、学生が自分に合った分野でのキャリアパスを考えることができます。

 

また、大学ではアントレプレナーシップ教育を積極的に推進しており、起業家精神を持った学生を支援する取り組みが行われています。例えば、起業家コンテストやベンチャーキャピタルなどがあります。

 

以上のように、アメリカの大学では卒業後のキャリアトランジションに向けた多様な支援が行われています。


 

アントプレナーシップ(entrepreneurship)とは、起業家精神や創造性、リスクテイク能力などを持って新しいビジネスやプロジェクトを開発し、事業を起こす行為やその能力を指します。アントプレナーシップは単にビジネスを始めることだけでなく、新しい製品やサービスを開発し、市場に出すためのプロセス全体を指します。

 

具体的には、

 

1.アイデアの創造:起業家は、市場や社会のニーズを分析し、新しいアイデアを生み出します。このアイデアは、新しい製品やサービス、ビジネスモデル、マーケティング戦略など、様々な形をとることがあります。

 

2.リソースの調達:起業家は、資金、人材、物理的なリソースなど、ビジネスを開始するために必要なリソースを調達する必要があります。

 

3.事業計画の策定:起業家は、ビジネスの目的、戦略、マーケティング、財務などを含む事業計画を策定します。

 

4.ビジネスの開始:起業家は、事業計画をもとにビジネスを開始し、製品やサービスを開発し、市場に出して利益を上げることを目指します。

 

アントプレナーシップは、新しいアイデアや技術を発明することによって、市場に新しい製品やサービスを提供することで、経済成長を促進することができます。また、起業家精神を持った人々は、ビジネスの枠を超えて、社会問題の解決やイノベーションの推進など、様々な分野で貢献することができます。


 

スポーツ選手が現役終了後に大学に戻る例・・・

元NBAバスケットボール選手のシャキール・オニール氏が挙げられます。彼は現役時代にルイジアナ州立大学に在籍し、大学バスケットボールの全米制覇に貢献したことでも知られています。現役引退後、彼は2012年に同大学で学位を取得し、経営学修士号を取得しました。彼はその後、自身が所有する企業で経営を学んだ経験を活かし、ビジネスの分野でも成功を収めています。

 

また、元NFLアメリカンフットボール選手のジョー・トーマス氏も、現役引退後にマイアミ大学で法学の学位を取得しています。彼は引退後に弁護士資格を取得し、スポーツ選手のエージェント業務を行うなど、スポーツビジネスの分野で活躍しています。これらの例からも、スポーツ選手が現役引退後に大学で学び、新たなキャリアを模索することができることがわかります。

 

他にも、元NBA選手のシャキール・オニール氏が、引退後にフロリダ州のバリー大学でビジネスの学士号を取得したことがあります。彼はその後、自身の投資会社を立ち上げたり、テレビ解説者としても活躍しています。また、元NFL選手のエド・マックレーン氏も、引退後にニューヨーク大学に入学し、教育学の修士号を取得しています。彼は現在、教育に関する様々なプロジェクトに携わっています。このように、スポーツ選手が現役引退後に大学に戻り、新しいキャリアを模索する姿勢は、アメリカでは一般的なものとなっています。

 

日本でも、スポーツ選手が現役を引退後に大学に戻る例があります。一例としては、元プロ野球選手の上原浩治氏が、2021年に東海大学大学院スポーツ健康科学研究科に入学し、学位取得に向けて研究を進めていることが報じられました。上原氏は、現役時代にアメリカでプレーし、英語が堪能であることから、大学の授業でも積極的に発言しているという報道がありました。また、日本の大学スポーツ連盟では、現役選手が大学で学業と競技活動を両立できるように、様々な取り組みが行われています。例えば、大学の授業スケジュールを競技の試合スケジュールに合わせる調整や、学業支援プログラムの提供、競技に特化した奨学金の制度化などが挙げられます。

 

日本の場合、

 

大学院に進むことは必ずしも簡単ではありません。大学院に進むには、学士号を取得した後に修士課程または博士課程に進学する必要があります。大学院に入るための条件は、大学ごとに異なりますが、一般的には学業成績や研究実績、推薦状などが求められます。また、大学院に入るためには、入学試験を受験する必要があります。入学試験は、学科や大学によって異なりますが、一般的には筆記試験や面接試験があります。

 

スポーツ選手が大学院に進む場合には、卒業後に社会人として一定の経験を積んでから、大学院に進むことが多いようです。また、大学院に入学する前に、研究室などでアルバイトやインターンシップなどの経験を積んで、研究分野についてより深く理解することも重要です。大学院での研究には、継続的な取り組みと努力が必要とされますが、スポーツ選手にとっては、練習や試合と同様に、研究にも全力で取り組むことが必要です。

 

そして

 

近年、日本においても、スポーツ選手のキャリアトランジションが注目されるようになってきています。しかし、スポーツ選手が現役を引退した後、そのまま引退する選手もいれば、別の職業に進む選手もいます。それは、アメリカと比べると、日本においてはまだまだスポーツ選手のキャリアトランジションへの支援が不十分であるという課題があります。

 

一方で、日本の大学やスポーツ団体なども、スポーツ選手のキャリアトランジション支援に取り組み始めています。例えば、日本体育大学では「アスリートキャリアプログラム」というプログラムを開講し、スポーツ選手が大学卒業後の進路を考える上で必要な知識やスキルを身につけることができるようになっています。また、プロ野球選手の引退後には「野球留学」という制度があり、大学や短大などに進学し、野球の技術指導者や学校の教員などとして社会に貢献することができます。

 

しかし、まだまだスポーツ選手のキャリアトランジションに対する支援が不十分であるため、今後もこの分野に注目し、改善を進めていく必要があると言えます。

 

キャリアトランジションに対する支援の具体例・・・

 

キャリアカウンセリング

スポーツ選手が現役を退いた際に、どのようなキャリアパスを選べばよいかわからない場合があります。そこで、キャリアカウンセリングを行い、自分のスキルや経験を生かせる職種や、将来性のある分野を提案することがあります。

 

就職支援

企業とのマッチングを行い、求人情報の提供や面接の調整、履歴書の書き方や面接対策の指導などを行うことがあります。

 

教育支援

スポーツ選手が現役時代に大学を中途退学した場合、単位を修得していないことがあります。そのため、教育支援として、大学進学のサポートや、大学で単位を取得するための補習授業などを提供することがあります。

 

資格取得支援

スポーツ選手が現役時代に培ったスキルを生かして、新たな職業に挑戦するために、必要な資格を取得する支援を行うことがあります。

 

起業支援

スポーツ選手が現役時代に培ったスキルや経験を活かし、起業をする場合には、ビジネスプランの策定や資金調達の支援、マーケティング戦略の立案などを行うことがあります。

 

これらの支援を通じて、スポーツ選手がキャリアトランジションに成功し、新たな人生をスタートすることができるようになると考えられます。

 

かなり具体的なところまで踏み込んでみました。当然、私たちが現役の時にこんな話を誰からも聞いたことがありません。

 

さらにいうと、24時間365日野球のことだけ考えてろ!!と言われたものです。

 

さてさて、どこまで現役の選手たちに伝わるでしょうか?! 微力ではありますが、しっかりと伝えていきたいと思います。

 

最後までお付き合いありがとうございました。また次回もよろしくお願いいたします。

 

大野 久