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公訴時効をめぐる議論

21世紀初頭の段階で、DNA型鑑定など、「過去(数十年前)の事件における物的証拠から、確度の高い容疑者特定を可能とする技術」が開発されるようになり、DNA型鑑定が確立される以前の迷宮入りとなった事件の血痕などからもDNA型が判明するようになってきている。犯罪者のDNA型を保存する制度が確立している国では、この検査結果と警察の保存する犯罪者のDNA型の記録を照会することによって事件の容疑者が判明し、これにより数十年前の事件でも裁判によって有罪が確定するという事例も「殺人事件における時効」の存在しない国においてはある。(DNA型鑑定によって、既に有罪になった者の冤罪が証明されるという事例は多数ある[10]。)

このようななか、日本では(殺人事件などの重大犯罪において)時効が存在することに対し、その是非を問う世論が起こり、2010年(平成22年)427日に公布・施行された改正刑事訴訟法により「人を死亡させた罪であつて死刑に当たる罪」については公訴時効が廃止され、その他の罪についても時効期間が改正された。一方で、DNA型万能主義的な議論には、DNA標本が犯罪と無関係に付着した可能性などからの批判も強い[11]

米国では、連邦法で死刑に当たる罪は、公訴時効にかからない[12]。州によっては殺人事件に時効がない(コールド・ケース)。そのため、「未解決の30年以上前の事件」において、残された証拠へのDNA型鑑定によって真犯人が検挙され、有罪に持ち込まれた事例が複数出てきている。