【強豪校特集10】聖和学園(宮城県) | 高校サッカーをもっと!

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聖和学園(宮城県)

 

【チームデータ】 

(2020年データ)

 

場所   : 宮城県仙台市

創部   : 2003

員数  : 221人

OB    : 齋藤恵太(秋田)、菅井拓也(沼津)、

監督   : 加見成司

実績   : 選手権全国大会4回出場 

        (最高成績 2016年 3回戦)

        インターハイ全国大会3回出場

        (最高成績 2011年 2回戦)


【近3年成績】

2018年 宮城県リーグ1部2位

2019年 インターハイ県予選優勝、東北大会優勝、新人戦優勝、宮城県リーグ1部2位

2020年 スーパープリンスリーグ東北4位

 

 

実績ポイントランキング 宮城県2位 詳しくは↓のページで

 

 

 

 

【歴史と現況】

創部は2003年と強豪校の中ではかなり新しい。

元々女子高であり、2003年男女共学化に伴い、男子サッカー部が創設された。

女子サッカー部のコーチである加見成司氏が監督に就任。女子サッカー部のパスとドリブルを主体したサッカーを男子で取り入れ、就任3年目で県大会ベスト8に進出し、県内で注目を集める存在となった。

なお、女子サッカーは全国優勝4回を誇る全国屈指の強豪。

 

以後、聖和学園の成長の速さは驚愕に値する。

2008年には早くも、プリンスリーグ東北に参入し、いきなり3位の成績を残す。

このころには、すでに宮城県内ではトップクラスの強豪校と成り上がった。

また、この時期の宮城県は東北や宮城県工が強く、全国大会出場の機会はなかなか得られなかったが、2010年にはインターハイで、初の全国出場。

2011年には、インターハイと選手権の両方で全国出場。

また、プリンスリーグ東北優勝、東北新人大会優勝と、一気に東北地方屈指の強豪校へ駆け上がった。

 

また、2011年に初出場した選手権全国大会では、初戦で四国屈指の強豪校・香川西に勝利し、2回戦で大阪の強豪・近大付属に惜敗するも、チーム全員が果敢にドリブルで相手を抜くサッカーは、たちまち評判となり、全国から聖和学園のサッカーに憧れて入部する選手が増えた。

 

以後は選手権全国大会最多出場を誇る仙台育英や伝統校・東北らと熾烈な県内争いを展開。

 

2016年の東北大会では、青森山田や仙台育英、東北らを撃破し、見事優勝

2014~2016年は3年連続で選手権全国大会出場

2015年の選手権では、初戦で全国制覇の実績がある滋賀の野洲に7-1で大勝し、続く2回戦ではこの大会で3位となった青森山田に0-5で敗戦。

野洲戦は、この大会の1回戦では最多観客数となる15,300名の観客(満員御礼)を三ツ沢球技場に集め、そのゲーム内容は全国に衝撃を与え、聖和学園の名を一気に全国区に押し上げるとともに、その特徴あるサッカーを全国に知らしめるきっかけとなった。

 

この頃からは宮城県内では、2強の双璧として仙台育英と一騎打ち状態になり、現在に至る。

 

チームのスタイルは、ボール技術に徹底的にこだわったテクニカルなドリブルとパスのサッカー

 

 

【2021年展望】

仙台育英と聖和学園の一騎打ち状態はしばらく続きそうだ。

2019年は聖和学園がインターハイ・新人戦と県内2冠

また、東北大会でも青森山田などを破り、優勝した。

2020年は仙台育英が選手権・新人戦と県内2冠。(インターハイは中止)

 

近3年の宮城県内大会は8回中、7回をこの両者どちらかが優勝している。

(2018年新人戦のみ東北学院が優勝)

 

まさに全国屈指の好ライバル状態だ。

実際に、選手権県大会決勝は3年連続で聖和学園vs仙台育英の同一カード

ちなみに県大会決勝が3年以上連続同一カードは全国で5県のみ(青森、茨城、千葉、鳥取、山口)

 

伝統のハイプレスと堅守を主体とする仙台育英に対し、テクニカルなドリブルとパスを特徴とする聖和学園が、果敢にそれをはがそうと攻め込むサッカーは、お互いの死力を尽くした非常に見ごたえのある好ゲームとなることが多い。

これぞ、≪仙台ダービー≫、あるいは≪仙台クラシコ≫だ。

 

近3年の公式戦(インターハイ、選手権、新人戦、リーグ)の対戦成績は

4勝4敗とまさに五分五分のガチンコ勝負。

ただし、大会の決勝に限ると、仙台育英に1勝4敗と、ここ一番では仙台育英が勝負強さに屈している。

(○19年新人戦、●18-20年選手権、20年新人戦)

特に選手権県大会決勝では、2018年から3年連続で仙台育英との対決で、仙台育英に3連勝を許している。

 

仙台育英は、U16日本代表候補のMF島野ら、1年生時から全国大会に出場し活躍してきた黄金世代のタレントたちが、今年3年生となる年。その強さは2020年新人戦優勝で示されている。

 

この仙台育英に勝ち切らない限り、聖和学園は全国への道は開けない。

また、全国では未だ8強以上には到達できていない。

仙台育英との決戦を制したのちは、初の全国上位も狙いたい。

 

余談だが・・・。

聖和学園のサッカーはドリブルを特徴とするあまり、「ボールを持ちすぎる(結局そのせいでボールを取り返されている)」、「ドリブル偏重すぎる」なとど、批判を浴びることもある。

高校サッカー界では、これほどまでにボール技術に拘るチームは少なく、まさに≪異端児≫的存在だ。

だが、少年たちが自らのサッカーの理想を携えて、聖和学園のサッカーに共感して、その門をたたき、3年間を賭してそのストロングポイントを磨き上げるという、一途さと純粋さは素晴らしいと個人的には思う。

 

2015年選手権全国の野洲戦、超満員の三ツ沢競技場は、スペクタクルなテクニックの応酬に観客が見入ってしまい、試合中にもかかわらず、スタジアムは異常なまでの静寂に包まれていたとのこと。

 

チームのスローガンは「記憶に残るサッカーを」

きっとあの野洲戦のような記憶に残るゲームがまた見れることを、全国の高校サッカーファンは待ち望んでいるはずだ。

 

 

【注目選手】

 

・守屋 湧磨(MF・3年)

 小柄だがスピードと切れのあるドリブラー。

 緻密なポールタッチも持ち味で、まさに聖和学園らしい選手

 

・永井 大士(MF・3年)

 2年生時に選手権県大会決勝で先発。

 独特のリズム感があり、チームの攻撃のアクセントとなる

 

・八塚 龍芽(MF・3年)

 2年生時に選手権県大会決勝で先発。

 主将としてチームをけん引。突破力のあるドリブルも魅力

 

 

 

 

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