葬偽屋に涙はいらない 高浜セレナと4つの煩悩:森晶麿 | 図書館司書の読書日記

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こちらは主に備忘録的読書日記と映画の感想を記しています。
著作権法上、ネタばれしないように書いているので味気ないとは思いますが、こんな本があるのだと興味を持っていただけたら幸いです。


 自分が死んだ時、周囲の人はどんな態度をとるのだろうか?

 そんな疑問を解決するために「葬偽」を行いたいという希望を叶える葬儀屋がある。

 「偽りの葬儀」

 依頼人の希望は時には悪趣味にも思える。

 そのまま失踪するのではなく、後ほど参列者の前に現れるのだから。

 母親と確執のある主人公は、似た境遇の親子の葬儀を経て少しだけわだかまりを解くことができたようで、そこが救いにつながるような物語です。

 主人公の上司の苗字が「殺生」というのも悪趣味ですが、本質をついているような気がしました。