むかしむかしあるところに、死体がありました:青柳碧人 | 図書館司書の読書日記

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こちらは主に備忘録的読書日記と映画の感想を記しています。
著作権法上、ネタばれしないように書いているので味気ないとは思いますが、こんな本があるのだと興味を持っていただけたら幸いです。


 誰もが知っている昔話の別のお話。

 もしかしたらみんなが知っているお話の方が偽物かもしれない。

 そんな解釈の妙が生きた作品です。

 昔話にも死体は登場します。

 ある意味子どもに死を教えるものなのかもしれません。

 ですが善悪を教えているはずが、どちらが善か悪かわからなくなるような解釈がなされているところが奥深いです。

 特に浦島太郎の教訓は、怠惰な暮らしに慣れてしまう恐ろしさと、恨みの深さを感じます。

 桃太郎の鬼退治に隠されたものは二段階で明かされていて奥が深いです。

 物事を多角的に捉えることの大切さを感じました。