アイヌと松浦武四郎の蝦夷地友情探査物語:大島和子 | 図書館司書の読書日記

図書館司書の読書日記

こちらは主に備忘録的読書日記と映画の感想を記しています。
著作権法上、ネタばれしないように書いているので味気ないとは思いますが、こんな本があるのだと興味を持っていただけたら幸いです。


 「北海道」の名付け親「松浦武四郎」のお話です。

 蝦夷地探査で知り合ったアイヌに対する優しさ。

 同化政策と言いながら、非同化政策をとっていたという二枚舌な政府。

 民族ごとの個性があることは事実。

 どちらが優れているということはないのに、自らの優位を示したいと思う人間のエゴ。

 お互いを理解するためにはまず言葉を理解すること。

 役人にはできない市井に入り込むことでアイヌとの意思疎通をはかり、蝦夷地の探査を続けたら松浦武四郎。

 先人たちの偉業が語り継がれることの意義を感じます。

 まだ200年も経っていないことをよく考えてこれからの国を思う、なんて壮大ですが、異文化理解の一歩としたいと思います。