代理母、はじめました:垣谷美雨 | 図書館司書の読書日記

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こちらは主に備忘録的読書日記と映画の感想を記しています。
著作権法上、ネタばれしないように書いているので味気ないとは思いますが、こんな本があるのだと興味を持っていただけたら幸いです。


 富士山が噴火して都会から人がいなくなった世界。

 格差社会が進行して、首都機能の移転も。

 義父に騙されて代理母になった主人公。弟妹のために、子供を持てない人のための人助けになる、そんな言葉を鵜呑みにした主人公は、子供を産むまではそう信じ込んでいた。

 真実に気づいた主人公が、搾取されない人生を歩むために選んだのは代理母斡旋業。

 矛盾しているかもしれないけれど、代理母を経験したからこそ、代理母側の気持ちに寄り添えることができる。

 代理母を利用したい側の事情は様々ですが、格差を増長する理由もあってモヤモヤします。

 さらに不純な動機を持って訪れる独身男。

 女の敵は女のようなところもありますが、国を超えて支え合おうとする人たちに、幸あれと思いました。