「能面検事」シリーズです。
文字通りの死闘です。
表情を変えない不破検事。
それは誰に対しても、何に対しても徹底されているけれど、本当は誰よりも情に厚い人。
検事の不在を補う事務官は、検事を見習って無表情に徹しようとしますが、被疑者の挑発についつい動揺してしまいます。
犯罪者の言い分を聴き公正に裁くということの難しさが伝わってきます。(裁くのは裁判官ですけどね。)
だからこそ、不破検事が能面に徹している理由がわかります。
社会の閉塞感がどんどん煮詰まって出口の見えない昨今。
現実の事件をオーバーラップさせたような作品に、現実が追いついてしまわないようにとか願わずにはいられません。