婦人公論 2023年5月号 | 図書館司書の読書日記

図書館司書の読書日記

こちらは主に備忘録的読書日記と映画の感想を記しています。
著作権法上、ネタばれしないように書いているので味気ないとは思いますが、こんな本があるのだと興味を持っていただけたら幸いです。


 特集タイトル「豊かな暮らしは『上手に使い切る』から」に惹かれて手に取りました。

 女優の小山明子さんが、大島渚さんの思い出と共に、身の回りを小さくされたことについて話されています。

 華やかな世界から大島さんを亡くされてコロナ禍でうつ病にもなったそうですが、素敵な老後を見つけられたようです。

 上質なものを長く持つことも良いのですが、適切な時期にさよならすることも大切なのだと感じました。

 ということでこのGWはお片付けです。って何回言っているんだろう…。

 鈴木保奈美さんのコラムも面白くて、バックナンバーを辿りたくなりました。

 そんな中先日読んだ「蚕の王」に繋がる袴田事件の関係者(冤罪なので事件関係者というのもなんなのですが)である袴田ひで子さんのインタビュー記事。

 声高にジェンダーやフェミニズムを叫ぶ人たちよりずっと芯があって素晴らしい人物だと思いました。

 あの事件は本当に国家権力の恐ろしさを感じるのですが、それに屈することなく生きて弟を支え続けたその姿勢に、かくありたいと思います。

 失礼ながら随分と高齢の方です。それでも弟が解放された時に支えられるようにと老後の設計も含めて見通しているところが、のらくらと生きている自分と正反対で…。

 もちろんあんなドラマチックな事件に巻き込まれないのが一番なのですが…。

 「お天道様が見ているから」きっと正しいことは報われるのだと思います。

 どうしても色分けされたジェンダーに振り回されてしまいますが、自分の基準を大切にしたいと感じています。