亀裂 創業家の悲劇:高橋篤史 | 図書館司書の読書日記

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こちらは主に備忘録的読書日記と映画の感想を記しています。
著作権法上、ネタばれしないように書いているので味気ないとは思いますが、こんな本があるのだと興味を持っていただけたら幸いです。

 いくつかの創業家が紹介されていますが、ほとんどが一代で築いたもの。

 老舗感があるのはソニーとセイコー。

 ソニーもある意味一代で築いたものですが、そこには老舗醸造業の財力が元になっているという背景があります。

 なので基盤が強固であるからこそのドロドロが見えてきます。

 セイコーも同じ。

 家長制度が染み付いた階級の矜持が時代とズレていく感じが、ドロドロの元になっているようです。

 一代で築いた企業は、創業者のカリスマ性が良くも悪くも暴走しています。

 バブル景気に乗ってグイグイイケイケだった時の感覚のまま、無理を通して犯罪スレスレのゴリ押し。

 ただ、お金が物を言う世界なんですね。

 なんだかもう庶民にはわからないお金の世界。

 最後に虚業である、投資業が登場。

 一世を風靡した村上ファンドの村上さん、一家をあげて巻き返しを計っているそうです。

 そのスキームが、家業のキモとなるようで、なかなか興味深いですね。

 叩き上げの親が子供に甘かったりするのも、もしかしたら敵だらけと言う思いの中で家族だけは信じたいと思うからなのかも…。

 桁違いのお金が飛び交う世界があるんだなぁ、と、お口あんぐりとなりながら読みました。