巻頭に浮世絵がいくつも紹介されています。
なんとなくデフォルメされたもののイメージがある浮世絵ですが、役者の顔をきちんと捉えていることに驚きました。
歌舞伎役者が演目ごとにお化粧を変えるのは当然ですが、ちゃんと顔の区別がつきます。
現代人とは違う顔つきのように思っていたのと西洋画の写実性とは異なることからなんとなくデフォルメのイメージが強かったことに気付きました。
役者絵と写楽の正体を考察しているのかと思ったら数学の話も出てきます。よくある文様の鱗模様、市松模様に数字を当てはめると平方根が出てくるとか、太陰暦のこととか…。
源氏香で使われるマークと麻の葉文様の紹介から、「鬼滅の刃」まで…。
研究者というのは情報が幅広く、考えが柔軟なのだと感じました。
中身はちんぷんかんぷんなのですが、巻頭の役者絵を見るだけでも楽しい一冊です。