総理の夫 | 図書館司書の読書日記

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こちらは主に備忘録的読書日記と映画の感想を記しています。
著作権法上、ネタばれしないように書いているので味気ないとは思いますが、こんな本があるのだと興味を持っていただけたら幸いです。


 番宣で中谷美紀さんが出まくっているのと「初の女性総理」というキャプションから、主役は総理かと思ったら、タイトル通り「夫」のお話でした。

 田中圭さんは、頼りないけれど、自分の能力以外のことで威張ったり、権力を行使しようとしない夫役を好演していました。
 
 ここからネタバレ。

 元々相馬グローバルという大企業の御曹司。お気楽次男坊は鳥の観察が大好き。住まいは祖父の隠居所だった豪邸。都内にも関わらず緑が溢れています。

 そして渡り鳥の観察に出ている間に、なんと妻が総理大臣になっていた…。

 妻の凛子は第111代総理大臣。

 今の菅義偉さんは第99代総理大臣。

 月末の自民党総裁選後就任するのは第100代総理大臣。

 現実世界では、まだまだ女性総理の誕生は難しそうですが、それでもあと10代のうちに誕生するかもれませんね。

 ただ凛子の演説で「女性が子を産み育て…」というところ、まだまだだなと感じました。

 男性が子を産むことは物理的にできませんが、女性だけが育てるために労力を割くのが前提なのですよね。

 男性の育休の義務化も言われていますが、手伝いにならない大きな子供が増えただけ、という現実もあります。

 いろんなことの意識を変えるのは大変なのですけどね。

 凛子と日和の夫婦は、それぞれが自分の役割を持って自分の足で立っているよいカップルだと思いました。

 ただ、立場のある人間の配偶者の振る舞いとはどうあるべきか、ということも含んでいるように思いました。

 昨日鳴り物入りで帰国した方も、こういう感じだったらいいのにな、と思いました。

 政治の駆け引きは白と黒だけではなくてグレーの部分もある、というようなところを腹黒い原久郎という役で岸部一徳さんが怪演していました。