夢魔の牢獄:西澤保彦 | 図書館司書の読書日記

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こちらは主に備忘録的読書日記と映画の感想を記しています。
著作権法上、ネタばれしないように書いているので味気ないとは思いますが、こんな本があるのだと興味を持っていただけたら幸いです。

最初は空想ものかと思ったら、長い時間をかけて謎が解かれていく作品でした。
青春時代の憧れの教師。そのほのかな憧れやこじらせが事件を複雑にしていきます。
関係者がいっぱいいて、ヒントも沢山あるのに警察はどれだけ無能なのかと思わせるくらい連鎖的に事件が起きていることが判明すると一気に犯人が見えてきます。
それでも残されたものは、その犯罪を糾弾することはできず、その事実を知ったことに打ちのめされる…。
まさしく「夢魔」に囚われてしまうような作品です。