七夕 天の川物語 9
としが中庭まで呼びに来ると織姫は直ぐに母屋に行った お勝手口から入り土間に行き
門の氏の履物があった もう一つは米屋の田の氏のものだと分かった 廊下に上がった
大広間から笑い声がした 大広間には門の氏と田の氏が天様と山様といた「失礼します」
門の氏と田の氏が振り返えった「おう 来よったか ここへ座りなさい」「はい」天様の
隣に座った 織姫が正座し挨拶した「こんにちは 久しぶりです」久々の織姫の顔を見
ると門の氏と田の氏の二人は、にこやかに笑顔になり挨拶した 山様は優しく笑った
そこに、としがお茶を持ってきた テーブルにお茶を置くと菓子もおいた
「いやー 一段とお綺麗でねや 媛様、久しぶりだねや」「んだねー」門の氏と田の氏が
何時もの様に見とれた「門さん田さん大げさ 先月は、お味噌と米頂き ありがとうござ
いました」「あー 何だべや いえいえ、ご丁寧に それ以上に こっちがしゃ 姫様に
お会い出来てありがたいでがす」「んだねー」逆に二人が深くお辞儀をした 天様と山様が
や市区笑った
天様と門の氏は随分昔からの間柄だった 味噌屋も古くからある老舗でいつも、神のご利益
を頂いていた 二人は仲が良く、いい関係を築いていた また、山様も同じく正月、お盆は
家族ぐるみで一緒に食事をしたりしていた
田の氏も仲が良かった
それから 町の話や行事などの話が終わると話題は変わり笑いが出始めた 山様は話し
上手で皆に輪を掛け盛り上げると笑いが笑いをつくっていった 所がどうしたのか織姫に
はちょっと四人の笑いに違和感が伝わっていた 四人は大きな笑いを上げ笑っている
のたが話の内容とは事合わない それに笑うタイミングが全くずれている 四人の顔を
覗く様にして見ていた
織姫は田の氏の顔を見るとやはりおかしいと思った 米屋を営む田の氏はこの時間は
来ることがない 店があるからだ 真っ昼間に来るのはない珍しい事だった 何故か
最近、近頃屋敷に頻繁に来ている事に気が付いた
「やっぱり なんか変、、、」織姫はそう思いながら見ていた