白の巻

ひろ先生の本、読みやすいので時々読んでますが、いつも元気ではつらつとしたひろ先生も、1936年のお生まれですからもうすぐ80才というおとしです。

この本の感想、私の受けた感じでは、おとしのこともあって、やや「まとめ」的なことを書こうと思われたのかな、と思いました。
普通に書いてありますが、「日本に仏教はない」という章タイトルがあるの、厳しい。

中でも一番言いたかったのは、「国家神道はニセモノ宗教」というところだろうと思います。

もともとあって、今でも日本人の心の底にあって多くの人がなんとなく信じて(?)いる「民衆神道」。
これとは違って、明治政府が作って国民を戦争に駆り立ててしまったのが「国家神道」。

ひろ先生が宗教研究家となられた一番の動機は、おそらく、国家神道思想横行の戦争中に子ども時代を過ごし「なんでこんな目に逢わないといけないんだろう?」と思われたことにあるのだろうな、と思いました。


「ほんとうの宗教とは何か」という本はおもしろい構成になっていて、この白の巻と、もう一冊「青の巻」で出来ています。
どちらから読んでもいいので、前後編じゃなくて白と青にされたそうです。
青はまだ読んでいないので、これから読みたいです。

2015.11.6記


青の巻

先日読んだ「ほんとうの宗教とは何か 白の巻」の姉妹編です。
もしもどちらか一冊と言うならこちらの青の巻のほうが私はおもしろかったです。

印象に残っているところをちょっとだけ挙げると、

*自分は宗教を「わたしたち人間の生き方を教えるもの」または「人間らしく生きるのはどうすればいいかを教えるもの」と思っている。
*宗教教にもいろいろある、「ホンモノ宗教」「ニセモノ宗教」等…。
*また宗教とは葬式などの習俗でもない。
*神様の考えることは人間にはわからない。
*信じるから御利益がもらえるのではない、信じさせてもらえることに本質がある。
*命(自分も子どももその他も皆)は預かりものだから大事にする
*考えてもわからないことは考えるな。(お釈迦様でも宇宙の有限無限、死後の世界の有無については答えていない)
*人が迷うのはそれがどうでもいいことだからだ。
*自分は就職についてなどかなり重要なこともサイコロで決めたりする。(それが仏様の決めたことと思うから)デタラメでよい。
*道徳は強い人が弱い人をいじめる道具で時代や場所によって変わる。(道徳と宗教は違う)
*ちょっと損するくらいがいいのだ。などなど。

ひろ先生は自宅に置いてあった1億円以上を盗まれたことがあるのですが、最後にそれについても書いてありました。
そのお金はインドに学校を作ろうと思って置いておいたものだったが、盗まれたとき真っ先に思ったのは「仏様が保管先を変えられた」ということだった。泥棒は仏様のお使いだったのかもしれない。
ということでした。

2015.11.24記

ひろ先生にはお会いしてご挨拶したことがあります⭐
先生、お体をお大事にお過ごしください。