腹が減っては戦はできぬ⁉︎
写真のサンドイッチ、息子が手術を受けている間に病院内のカフェで頂いたもの
今振り返ってみても落ち込むどころかめっちゃ食欲ある感じに見える
(ちなみに、私ひとりで食べたのではなくうさぎ夫と分け合って食べました)
正直、食欲は無いようであった。いやあるようで無かった。。。
手術は10時開始。朝9時には麻酔科の先生から説明があるため、その20分前にはICUに来るように言われていた。
意外にもICUでは本人の傍まで行けるのであった。(衛生服を纏い、もっと距離を置いて面会するものだと思っていたので拍子抜けした記憶がある。)
術前最後の面会、看護師さん達は家族だけでゆっくり話が出来るよう気遣って下さった。
息子は落ち着いていた。
私も本人の前では笑顔でいた。不安や恐怖を与えてはダメだと思い、明るいトーンで話しかけるようにした。
その時は私自身も『絶対助かる』という根拠の無い自信があった
息子の病気は菌が原因ゆえ、「ICUに居る時間を短くしなきゃ!」と思っていた。本当はいっぱい話しかけたかったし、抱きしめたかったし、励ましたかった。
とにかく離れるのが嫌だった。
でも、菌が、菌が、目に見えない菌がーーー
そこら中に在るなら、今私にもたくさん付いているはず
ICUに入れて頂ける有り難さとこのご時世ゆえウイルスや菌を持ち込まないかの不安な気持ちが入り交じっていた
息子にはある言葉だけを掛けてICUを後にした。
そのことについてはまた改めて書こうと思う。
手術は7時間を予定していた。
待合所で一人祈り続けた。(手術が始まってからはうさぎ夫は仕事に戻っていた。)
私はただ姿勢を正し祈っていた。深く呼吸をし己れを整え、息子の生命力を信じ祈った。
ドラマのように手術が終わるまでベンチに腰掛け祈り続け、扉がサッーと開いて執刀医が出て来る
そんなことを想像していた。
しかし、現実は他の患者さん家族が何組もいらっしゃるし、そうそう座りっぱなしも辛い
ということで、院内を探検することにした
前日救急車でERに搬送された時は夕刻で院内は人気もなく、いつ呼ばれるか分からない状態だったのと、どんな治療が始まるのかも分からない状態でそれどころではなかった。(まさか翌日に心臓手術になるとは)
この時、冒頭のカフェを知るのである
「何だか素敵美味しそう〜
せっかくだから飲み物くらい」
朝食も食べていなかったし(前日の昼に菓子パン一つを食べたままだった)ここで私が倒れても良いこと何もないし、これから闘病生活を支えるためにも気力体力を付けよう
そう前向きに思い数量限定の生ジュースを頂くことにした。(こんな時でも限定に弱い)
気持ちが切り替わりスッキリした
とはいえ手術は始まったばかりの長丁場、そわそわして落ち着かないのも事実。もう一度待合所に戻り、深呼吸をし落ち着かせることにした。
そしてまた祈り続けた。
今度は息子が元気に退院して家にいる姿を想像してみた
そうしているうちにお昼の時間が過ぎていた。
うさぎ夫がお腹を空かせて戻ってきた。
(子供かい)
カフェの話をしたら即『行こう』と。
それが冒頭の写真である。
私自身も少しお腹が空いて来てはいた。しかし、カツサンドはさすがに重く食べられなかった
『でも良かった、これで助かるんだから』とうさぎ夫はあっけらかんとカツサンドを食べていた
時折不安そうにも見えたが、どこか肝が座った感じというか天運に任せている風でもあった。
夫と話していたら急に泣けてきた。
不安や悲しみではなく申し訳ないという気持ちでいっぱいだった。。。
二十歳そこそこでこんな大手術をする羽目になった息子に何故こんなになるまで何も出来なかったのか…後悔しかなかった。
だからといって誰の責任でもないし、きちんと病院も受診し検査もしてきた。それでも異常無しで気付かないこともあるのだ。
最初に救急搬送され見落とした病院を恨んでもいない。仕方のないことと理解している。
ボロボロ泣きながらサンドイッチを食べ続けた。
もう味が分からなくなっていた…
うさぎ夫はさっさと仕事に戻りまた私一人。
その頃には余裕が出てきて、病院グループの月刊誌が目に止まり色々読んでみることにした。医療従事者の方々に改めて尊敬の念が湧いた。至極過酷な世界である。
そして『息子のために有難うございます』『昨夜も遅かったのに今日も朝早くからご苦労様です』
『息子のために申し訳ない』と次々と感謝の気持ちも湧いてきた。
感謝と最高の医療が受けられる安堵感に満たされ気付いたらウトウト眠っていた
そういえば、一日前はまともに眠れてなかった。
体が斜めに倒れそうになり目覚めた。
スッキリ目覚めたら改めて病気のこと、術式をおさらいしたくなった
前日は説明受けてもやたらと難しい医療用語が続き、「漢文ですかー?」と思うような漢字続きの言葉がたくさん
初めて聞く病名に不安を抱き、心臓を切るという人生で想像もしていなかったことに直面し頭の中は大混雑
待合所に戻り改めて書類に目を通した。
うん、やっぱり難しい
つづく
エネルギーチャージ
病院内カフェの数量限定フルーツ&野菜ミックス生ジュース
美味しかった
病人を抱える家族もしっかり栄養を摂り、元気にサポートしたいもの