ベアリングの交換をしようとしたところ、インチサイズという少し特殊な規格だったZIPPのハブ。
探すのにも一苦労だった。
まず、純正品はあることにはあるのだが、日本国内で入手できるものは無さそうだった。海外のかなり小規模なショップのネット通販くらいしか見当たらず、海外への発送をしているかも怪しい。
そこでNTNに互換品となるサイズのベアリングがないかカタログを見てみた。
分類としては「ミニアチュア玉軸受・小径玉軸受」。同じようなボールベアリングに「深溝玉軸受」という分類もあるが、インチ系のベアリングはこれにしかない。
すると、内径×外径×厚み=9.525×22.225×7.124のちょうど探していたインチサイズのものが見つかった。
呼び番号は「R6」で、NTNの場合、片シールド形は「Z」、両シールド形は「ZZ」が末尾に付くので、探していたのは「R6ZZ」だということが分かった。
This hub model incorporated a wave spring preload system and used R6 bearings.”
=「このハブは”wave spring preload system“が組み込まれ、R6 bearings が使われている。
ZIPP公式の製品の歴史で「R6」ベアリングと実は明記されていた。灯台下暗しというやつか。
同時にNMB(ミネベアミツミ)でも同じサイズのものが見つかった。分類はラジアル玉軸受で呼び番号は「RI1438ZZ」だった。
品番が分かったので注文といきたかったのだが、ベアリングをどこで注文すればいいのか分からない。ベアリングを扱っている通販もあるのだが、やはり特殊な規格なのか探していたのは見つからない。近所のホームセンターでも取り寄せもできないと言われてしまった。
品番は分かっても取り扱いがなく、振り出しに戻ってしまった。
しかし、しばらくして突如として見つかる。
見つけたのはヤフオク。メーカー不明でサイズだけ記載があり、ヤフオクにありがちな怪しそうなショップが出品していた。
メーカー品でもない割に少し値は張ったが、背に腹は変えられず落札してしまった。
品番はあるがメーカー名の記載はない。等級はABEC3と下から2番目のグレードで精度も高くはないようだが、自転車には十分な性能かと思われる。
特に見た目では純正のベアリングと分からない。R6とあるので、サイズは間違いない。RSはおそらく両シールドという意味だろう。
早速入れ替える。
“This hub model incorporated a wave spring preload system and used R6 bearings.”
=「このハブは”wave spring preload system“が組み込まれ、R6 bearings が使われている。」
最初はこのwave spring preload systemがよく分からなかったが、分解して判明した。
非ドライブ側に波型のバネがインストールされている。おそらく、左右から挟み込むことでベアリングに圧力をかけると同時にクイックの締め過ぎによりベアリングが痛むのを防ぐのだろう。
エンドのパーツを通し、左右から挟み込みながらイモネジで固定する。バネの力がまあまあ強く、イモネジをそこそこのトルクで締めないと戻ってしまう。
実際にはクイックで締め込むので問題ないだろうが。
ベアリングを交換すると明らかに回転が軽くなった。ただ、OLDが135mmより少し短いのが気になる。また、非ドライブ側のベアリングが治まる部分にわずかにガタがある。テープをベアリングに巻けば治まるだろうか。
何はともあれ直った。
一緒に使うかはともかく、相方っぽいフロントハブも実は持っている。またしても、組む予定もないホイールのパーツが増えた。
どんなホイールを組むかを考えている時が一番楽しい。