サンツアースプリントのペダルを購入した。


スプリントは1980年代後半にフラッグシップのシュパーブプロに次ぐセカンドグレードとして登場したモデルである。





スプリントに出会ったのはいつだったのか覚えてないのだが、自転車趣味を初めてパーツの収集に凝り出した頃から少しずつ集めていた。


同じくセカンドグレードのシマノ600もパナソニックのために同じく集めており、サンツアーの存在を知って集め出したのかもしれない。


トップグレードはいまだに人気が高くとても手が出ないが、セカンドグレードは性能やデザインの割に中古市場でそこまで人気がない。


ビンテージという域ではないかもしれないが、ビンテージパーツ収集の趣味にぴったりなのである。





ペダルは人気もそこそこだが玉数も少なく、いつか手に入れたいと思っていた。今回希望額いっぱいを早い段階から入札したら落札できた。


経年劣化によりボディのくすみはみられるが、全体的に使用感はあまりない。回転は少し渋いが、分解清掃すれば改善されるだろう。





ペダルプレートも含めてぱっとばらしてしまう。グリスの感じからもあまり使われていた様子はない。





グリスを拭き取った球押しとシャフト。もちろん製造は三ヶ島製作所(MKS)だ。トップグレードと違い、玉押しの質感は多少コストダウンされている感じはするが状態はいい。





同年代のシマノのペダルは曲面が多い丸っこい印象だが、こちらは多面体のような角張った印象だ。実際に交換可能だと思うが、プレートがなければシュパーブプロと非常によく似た形だ。表面処理が違うだけでボディは共有している気もする。


ピカールで磨いたらかなり光ったので嬉しい。





このグレーの色味とロゴが気に入っている。丁寧なものづくりをしていることが伝わってくる。





ボール式なので玉当たりの調整をする。万力でシャフトを掴むとやりやすい。三ヶ島の工場で実際にそうやって一つずつ調整していたのを何かで見て、真似している。


グレードが高いとこの調整もやりやすいのだが、その点このペダルは少し時間がかかった。満足いく仕上がりにはなった。





当時シュパーブプロのロードペダルは前後プレートがアーチを描くように繋がった昔ながらのロード型とプレートが独立したピスト型と両方がラインナップされていた。しかし、スプリントに関してはこのようなピスト型ペダルしかなく、時代の移り変わりを感じる。


個人的にはこの形状の方が、形も踏みやすさも好みだ。





スプリントのコンポーネントが揃った暁には、スプリント組のロードレーサーを一台組みたいものだ。