ダブルレバー台座が壊れていた1990年代のオーバーサイズアルミフレーム、ファウストコッピ。
中古でかなり安く手に入れたのだが、なかなかの訳あり品であった。
パーツを移植したために、ダブルレバーを使うことになり、どうするかを考えていたが結局これを買った。
ディズナ レバーマウント STD
ダブルレバーをスレッドステムにクランプできるマウント。
見た目が一番自然なので、値段はしたものの結局これにした。
クランプする部分、台座、アウター受けの三つの部分に分かれている。
アウター受けの角度は細かく刻んで固定できるようになっている。
とりあえず、最もワイヤーを張っていない状態でこの位置にしてみる。
ここから手前に引くことでシフトダウンしていくのだが、ローの位置ではレバーが下を向く。
その上、アウターケーブルの角度が少し見栄えが悪い。
ちなみに、シマノのダブルレバーはアルミフレーム用のスペーサーが必要なので、とりあえずはサンツアー製ダブルレバーをつけている。
少し寝かせてみた。
アウターケーブルの角度は自然になった。トップの位置でハンドルとの距離がギリギリになったが、変速に問題はない。
横から見ると、このようなワイヤールーティン。ネジで固定されているだけのアウター受けも微妙に動くが、問題ない。
ダブルレバー以外は特に苦労することもなく、パーツを移植した。
基本は6400番の600で構成されており、ハンドルステムは日東、サドルはロールスチタニオになる。
シートポストはパナソニックがφ26.8だったので流用はできず、その上シートチューブが長く、シートポストを出せないので、適当なものを付けた。
BBもイタリアン規格は手持ちでなかったので揃えた。
シマノテーパーでイタリアン規格、カップアンドコーン式というBBはなかなか中古でも物がなく、手に入れるのは少し苦労した。
手に入れたのは、1980年代のデュラエースのBBで、中古で買ったが未使用のような状態の良さだった。
36×24Tがイタリアン規格。
何度見てもこの形のクランクは好き。ロゴがすれないようにテープを貼っているのだが、それでも少し薄くなっている。
シャフト長は112か113mmだったが、クリアランスも問題ない。
注意するのは、イタリアン規格のBBはJIS規格と右ワンのネジの向きが逆(イタリアンは正ネジ)なので、クランクの回転で右ワンがイタリアンは緩みやすい。
実際にJISでは緩んだことがないが、今回は走っているうちに異音が発生し、右ワンが緩んでいた。
イタリアンフレームでは、右ワンをこれでもかというくらいに締め込んでおくべきである。
少し乗ってみたが、鉄フレームとは別物である。物理的に軽いのは確かなのだが、それ以上に反応性が全く違う。
90年代のパナソニックとの比較にはなるが、パナソニックではダンシングのように強く踏み込んだときに、パイプがしなって力が減衰している感覚があった。
しかし、アルミのコッピは踏めば踏むほど前に進む。30年ほど前ではあるが、元はロードレースでも活躍した車両なので、そのスペックは確かである。
軽さも相まって特に登坂では実力を発揮する。クランクを回すペダリングも踏むペダリングも、どちらも反応良く進んでくれる。
下りでも、安定したコーナリングをこなし、フォークもブレーキをかけてもびびりが出ない。
しかし、反応性は素晴らしいこの自転車だが、乗り味としてはあまり好きではない。
クロモリに長く乗りすぎたのだろうか、しばらく乗ると、スチールパイプのしなりと衝撃吸収性が恋しくなる。
しなりはクロモリ特有なのでいいとしても、衝撃吸収性は今ひとつで、細かい路面の凹凸で車体が跳ねる感覚がある。そのせいで反応性が良いにも関わらず、力が伝わりきれていない気がする。ゆっくり走った時にも、クロモリより無駄に疲れる。
あくまでも個人的な感想である。
というわけで、あまり気に入っていないコッピなのだが、山においては素晴らしい性能を発揮してくれるので、しばらくは所持し続けるだろうか。
他にも試してみたいフレームが出たら、パーツの移植をしたいが、フレームだけになってもこのジャンク品は捌きにくいだろう。