ゲイリーフィッシャーのホイールのメンテナンスをしていく。



ハブから溶け出したグリスが変色し、ボディにこびりついているのでこれを除去するのと、特にフロントのゴリ感が強いので分解して清掃する。



リアから。どちらでもいいと思うのだが、私は反フリー側のロックナットを外す。


玉押しは15mm、ロックナットは17mmのハブコーンレンチで外す。ここはハブによって違うはず。



ここもヘッドパーツ同様、あまりトルクがかかっていなかった。


中はどうだろうか。当然グリスが抜けて、茶色いグリスが変質している。これでは、ハブの回転を悪くする。



愛用している、100均で買ってきたステンレスの皿。いかにもメンテナンスっぽくて気に入っている。


取り出した油まみれの部品にクレ556を噴くと、古いグリスが溶けてくるので、ウエスか何かで拭き取る。



30年前のパーツだが、よほど使い込まれていないか、調整がうまく出来ていない限りは、グリスを取り去れば綺麗になる。


ここでハブコーンや鋼球の状態を見て、虫食いがあったり金属光沢にくすみがあったりすれば、交換すべきだろう。


シマノはありがたいことに、現在でも互換品が手に入ることが多い。



今回は全く問題なし。



クレ556に漬けておく間に、ハブボディを磨くことにした。所詮はグリスなので、こちらもクレ556を噴いてウエスで磨けば綺麗になる。ただ、フリーボディに直接噴きかけると、溶け出さなくていいグリスまで溶け出すので注意する。



スポークとハブの隙間を磨くのが大変だったが、綺麗になった。



これだから、シルバーパーツは嬉しい。



ハブボディの内側のパーツを外せるハブもあるが、これは結構力をかけても外せなかったので、そのままにした。


グリスの充填は注射器を使って、MTBなのでロードよりも多めにグリスを入れた。ピストやロードハブなら、鋼球の表面をグリスがうっすら覆っている程度でいいと個人的には思っている。


この後、玉押し、スペーサー、ロックナットの順に通していき、玉押し、ロックナットの順で締め込む。ハブシャフトを持って動かし、ガタつきが出ずに回転がスムーズな位置に合わせる。大抵一度で決まることはないので、何度もロックナットを緩め締めを繰り返し、調節する。


ピストやロードの上位グレードなら時間をかけて満足いくまで調節するが、今回はそこまで厳密に調節せず、ガタが出なければいいくらいにした。


本当に品質が良いハブはとんでもなく良く回る。7400番のデュラエースを触ったことがあったが、回転がスムーズでシールドベアリングのように回ったことを覚えている。


ハブの玉押し調節は結構好きな作業の一つだ。



当時は低級グレードだったと思うのだが、このEXAGEも意外と良く回る。グリスを多めに充填したのでその重さはあるが、スルスルと抵抗感が薄い回転をする。


何十年経っても、整備さえすればある程度のパフォーマンスは引き出せる。シマノのパーツの耐久性と品質の高さはやはり素晴らしいものがある。



フロントハブも同様に。こちらはキャップが外れたので、たっぷりグリスを充填しておく。



クイックには錆が出ていたが、メッキの上からの軽い錆なので、ヤスリで軽く撫でれば削れて綺麗になった。



想像以上に光るようになった。フロントはバネが一つ欠品していたので、手持ちからあてがった。



とりあえずクイックも付けて、ハブの清掃と調節は済んだ。


最後に写真を撮る段階で気づいたのだが、このホイール前後でリムの表裏が違う。自転車を右側から見た時に、ラベルの文字が読めるのが正しい向きなのだが、リアが逆である。


ホイールの組み方も、フロントはJIS(6本取)、リアは逆JIS(6本取)だ。このことから、組んだ人がリアだけハブの向きを間違えて組んでしまったのだろうということが分かる。


ついでに言うと、ハブのロゴとバルブ穴の位置関係がバラバラだ。


気にしなければ分からないのだが、そこが気になってしまうのが自転車馬鹿の性である。ロゴはまだしも、ラベルの裏表は反転していれば目立って気持ちが悪い。


後日ホイールの振れの確認と調節をしようと思っているが、その時にいっそリアだけ組み直そうか。