阪神大震災...19年 | DESPERADO

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DRUMMER 辰巳浩之のブログ

1/17を迎える前の夜 眠る時

19年間、毎年、どこにいても思う事がある

明日は来るんだろうか

って

僕のそんな心配なんて関係なく

当たり前の様に日は昇り新しい朝がくる

当たり前の事を当たり前だと感じる事が出来る事に感謝する

阪神大震災から1ヶ月くらい経った頃だろうか、時期ははっきり覚えていないがとても寒い夕暮れだった。東灘区の避難所でブラスアンサンブル部の仲間とグレンミラーの"In The Mood"など数曲を演奏し、うどんの炊き出しをした

当時、製麺業を営んでいた父がうどん玉を提供してくれた

僕たちの演奏を最前列で見てくれていたおばあちゃんが顔をしわくちゃにして手拍子をおくってくれた

これほどまでに人に喜んで貰える事が、この先の人生で何度あるのだろうか

こんな素晴らしい事を、一生続けて行けたらどんなに幸せだろうか

当時15歳だった僕の、もしかしたら不謹慎なのかもしれない感情

今、こうやって演奏家として活動させてもらえるのも、あの時の体験があったからこそなのかもしれない



2011年1月17日

神戸Cafe萬屋宗兵衛で初披露したオリジナル曲

One's Hometownは育った街西宮、そして神戸を思い書いた曲


同年3月11日

東日本大震災

阪神大震災で沢山の方に助けて頂いた僕に何か出来る事はないだろうか

非力な自分に悔しさを感じていた時

"辰巳くん、岩手に一緒に来れるか?"

と、声をかけてくれたは民謡歌手伊藤多喜雄さんだった

あれ以来毎年、岩手県九戸郡野田村へ伺い演奏させてもらっている

演奏中思い浮かぶのはあの日のおばあちゃんのしわくちゃな笑顔だ




昨夜の奏~kanade~のライブ

製麺業をリタイアした父が東京でのライブに初めてやって来た

父の前で初めて演奏したOne's Hometown

すっかり小さくなってしまった父と19年遡って対峙している気持ちだった

僕の気持ちを汲み取り、最大限心を込めての演奏をしてくれたメンバー

平子健介 
蕪木光生 
古木佳祐

彼らに深く感謝している