先ず『自殺』ですが、仏法では自ら命を
断つ事ではなく、自分で生き物を殺す事を
言います、次に、『他殺』ですが、他人に
依頼して生き物を殺させる事で、他人が
殺しても、依頼すれば自殺と同じ罪に
なります、三つ目は『随喜同業』です。
(ずいきどうぎょう)と読みます、これは
他人が生き物を殺しているのを見て楽しむ
事です。
それでは、『自殺』とは、動物を殺す事、
蜂や蚊など虫を殺す事、花を摘んだり、
草を刈ったり、野菜を穫ったりする事です。
『他殺』とは魚介類、食肉類、野菜を店で
買って料理して食べる事です、それでは
『随喜同業』とは、趣味の魚釣りや、活け
造りの刺身、魚介類を生きたまま調理する
様な残酷な殺し方です、生花やフラワー
アレンジメントで花を曲げたり、切ったり
切り口を焼いて長持ちさすなどは随喜同業
でしょう、此の様に人間が日々生活すると
言う事は、毎日、おびただしい殺生を
しているのです、此の、殺生のお陰で人間は
生かされているのです、唯、全く意味のない
殺生を-無駄な殺生ーと言うのですが、
最大の物は『戦争行為』です、
日常の個人の生活の中にも道を歩いている時に
蟻や虫を踏みつ潰しているかもしれないし
害虫と言って殺虫剤で殺しています。
生命を奪う事は如何なる状況でも殺生罪と
言う『罪』なのです。



食べ物に関して言えば『いただきます』は
命を頂きますで、決して、残して捨てては
いけません、『もったいない』とは此の大事な
命を無駄に使う事を言います、花もですが
昔は、花が咲いて枯れる寸前に摘み取って
水の張った盆に浮かべて鑑賞しました。
決して、枝を折って生けませんでした、
椿などは花だけが落ちるので昔は首が落ちる
様で嫌がられましたが、落ちた椿の花を集めて
水盆に浮かべて神や仏に献花したのが生花の
起源とも言われます、人間は必要最小限の
殺生で生きて行く智恵を持たねばならないし、
その為の創意工夫が唯一出来る生き物なのです、
その努力をしない事を『もったいない』と言います。
得をする損をする次元のもったいないは違います。
命に関わる、繊細な心ずかいがない状態が
『もったいない』と言います。
森林や竹林の間伐した間伐材を
有効に使うなど、再生可能な自然の有意義な
使い道が日本の『有益な殺生』です。