「ファンテーヌの死」のシーン

1幕序盤、怒涛のように襲いかかる悪夢に飲み込まれていくファンテーヌ。

ファンテが死に間際(致命傷を負わせたのはバマな僕!?)、ベッドの上で彼女の中で思い描く理想の輝かしい幼いコゼットの幻を見ながら儚く歌い始めるシーン。

伴奏も、もう今にも消え入りそうなファンテに優しく寄り添うサンプリス修道女のようにそっと寄り添い見守っているようです。


そこへファンテを心配しやってくるバルジャンの伴奏は、ファンテの時とは形態が違い、一言歌う度にバルジャンの慈愛を表現するような極短なフレーズが登場します。


続いて、まだ幻を見ているファンテが歌うと、ファンテの伴奏に戻り


バルジャンが「♪静かに~」とファンテを抱えベッドへ運ぶ時は再びバルジャンの慈愛のフレーズが。


そしてそのまま 「♪あぁコゼット~命懸けてコゼットは守り通す」の一連

抱えられ(人の温もりを感じ)ベッドに運ばれ傍らにバルジャンが寄り沿う事とファンテがバルジャンを認識するのとに呼応するようにファンテが歌う毎にもバルジャンの慈愛のフレーズが流れるようになります。

まるでバルジャンの慈愛の世界にファンテが包み込まれているように…

バルジャンの慈愛がファンテの中に染み渡っていき癒されていくように…


その後の伴奏はまた変化し、今度はファンテの消え入りそうな鼓動のように。

まるで心電図の音が徐々に頼りなくなり、無音の間が徐々に長くなっていくような…


そして最後のフェルマータ(程良く伸ばす)の中で、ファンテはバルジャンの胸の中で彼が約束してくれたコゼットの幸せな姿を見ながら事切れます。


続いて、天国へ導かれていくような後奏に。



常に彼女の傍に寄り添う伴奏に全てを委ね歌った時のファンテ、ヤバいッ(T-T)