西宮市長選挙 公開討論会その2 | 大川ひろゆきのブログ 「進まなきゃ、変わらない!」

西宮市長選挙 公開討論会その2

きのうの続きです。


さて、設問②の「西宮市立病院の財政について」ですが、
財政についてより、移転の可否についての議論が主体でした。


西宮中央病院は建設から40年ほど経過していますが、
通常、鉄筋コンクリート構造の建物の法定耐用年数は60年。
実際はもう少し大丈夫といわれています。


ですが、医療機器の入れ替えやスペースなど、
設備上の問題のために30~40年で建て替えを選択している事例が多いです。


わが市の病院も30年を経過し、今年度長寿命化計画を策定します。
長寿命化であと20年使用し、その後建て替えになる予定です。


建て替えを考えると、現地での建て替えより、
新たに新築して移転する方が、時間や患者さんへの負担の面で優位です。


そう考えると現職市長の選択も決して間違いではありません。
しかし、それと市立病院をとりまく課題解決とは別次元ですから、
そこを整理して説明してほしかったです。現職市長として。
どうもこの人は、発言が官僚答弁的でして、
議会答弁の原稿をもとにしゃべていたのでは?
と思うほど、「自分の言葉」で語っていませんでした。
だから、政策的には悪くないのに、羅列されているだけで、
聞いている方の耳に入ってこないというか、納得がないというか・・・。
これを無難というなら、違うような気がします。


高橋さんは、「津波等の危険性が高い地域への移転はナンセンス」
「耐震化だけなら(市の負担は)5億円」という内容でしたが、
防災公園との整合性が取れないので、途中で笑ってしまって、
いや、混乱してしまって、それ以上は覚えていません。すみません。


今村さんは、看護婦の人件費の高騰を取り上げ、財政上の課題を挙げました。
このほかに小児救急や産科などの公立病院としての存在意義に触れ、
最終的に県立病院との統合や独法化に言及しました。
課題認識と短期的な経営改善の視点、今後の方向性を示していたので、
非常にわかりやすかったです。
一方で現職市長からの指摘があったように、県立病院との統合は、
すぐにできるというものではなく、長期的に取り組むべきものに感じました。
とするならば、それまでの間、老朽化の問題も含めて市立病院はどうなるのか?
が不透明なままでした。


総合的に考えますと、
県立病院との統合までの道のりには不確定な要素が多く、仮に難航した場合、
次善の策としては現職市長の新築移転にならざるを得ないだろうという印象です。
今村さんの主張する民営化等による現地での存続は、移転してもできますので。


理路整然と課題や解決方法を述べる今村さんを優勢としたいところですが、
現職市長と今村さんの引き分けというところでしょうか。


設問③は、また次回に。