コリンとは
コリンはさまざまな食品に含まれている栄養成分です。米国農務省(USDA)によると、コリンを多く含む食品として、鶏の肝臓(約85g中に247mg)、卵(大きな卵1個に147mg)、牧草牛ステーキ(約85g中に55mg)などがあります。
人体はコリンをから神経伝達物質であるアセチルコリンを生成します。アセチルコリンは記憶、筋肉の制御、気分に関与する他、細胞膜の構築や遺伝子発現の調節に重要な役割を果たします。さらに、最近の研究ではコリンがシグマ1受容体のアゴニストとして作用し、アルツハイマー病の病因に関与していることがわかりました。
コリンとアルツハイマー病
コリンはアルツハイマー病で見られるアミロイドβプラークの生成をブロックします。
また、コリンは中枢の免疫担当細胞として知られるミクログリアの活性化を減少させます。ミクログリアの活性化の低下は、α7ニコチン性アセチルコリン受容体とシグマ1受容体の変化によって引き起こされますが、コリンはシグマ1受容体のアゴニスト(特定の受容体を活性化する物質)として作用することがわかりました。ミクログリアの過剰な活性化は脳の炎症を引き起こし、最終的に神経細胞死を導くことによって認知機能を損なう可能性があります。コリンを補充することによってミクログリアの活性化を低下させ、脳を保護できるかもしれません。
コリンはもっと多く摂った方が良いかもしれない
雌のアルツハイマー病モデルマウスに対し、生後2.5ヶ月から10ヶ月まで、5.0g/kgのコリンを添加しました。この結果、アミロイドβプラークの蓄積が大幅に減り、空間記憶が改善しました。
現在米国における成人女性(19歳以上)のコリンの適切な摂取量は425mg/日、成人男性で550mg/日です。しかし、これまでの知見から考えると、推奨される1日摂取量(RDI)では不十分であり、食事にコリンを追加することによって、加齢性の神経病理学的変化の予防に有益である可能性が示唆されます。
なお、成人に副作用を引き起こす可能性が低いであろうコリンの許容上限(TUL)は3500mg /日であり、これは女性に対する425mg /日の推奨値の8.24倍、男性における推奨値である550mgの6.36倍です。
引用:Velazquez, R., Ferreira, E., Knowles, S., Fux, C., Rodin, A., Winslow, W., & Oddo, S. (2019). Lifelong choline supplementation ameliorates Alzheimer's disease pathology and associated cognitive deficits by attenuating microglia activation. Aging Cell, 21(3), e13037. http://doi.org/10.1111/acel.13037
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