お正月休みも終わって仕事も始まり、普通の生活が戻ってきた1月の週末の夜。

 

いつものようにご近所の飲み友達のコーイチさん(50代初め)とゆういちさん(40代後半)と僕の3人でお酒を飲んでいたのですが、どうもコーイチさんの元気がない。

 

どうしたのかと心配して聞いてみたところ

 

1月から職場でちょっと偉くなったらしい。

 

僕 「へぇ、昇進したのかい。それはよかったね~」

 

ゆういちさん 「おめでとう。今日はお祝いだな」

 

と言ったら

 

コーイチさん 「全然めでたくないよ...ずっと断っていたのに...」

 

僕 「はぁぁ?」

 

ゆういちさん 「どういうことだ?」

 

コーイチさん 「もうこれからは、仕事中に

 

 

いやいや、コーイチさん。それ、普通だからっ!

 

別の日も一緒にお酒を飲んだのですが、いつもなら酔うほどに愉快になっていくコーイチさんが早々に

 

 

コーイチさんが帰った後、ゆういちさんと2人...

 

僕 「重症だね。ずいぶんとストレスが溜まっているみたい」

 

ゆういちさん 「まぁ、慣れるまでは仕方ないさ。とりあえず明日、温泉にでも誘ってみるか」

 

僕 「あ~、いいね。少しは元気が出るかも」

 

という事で、翌日のお昼前。

 

まだ寝ていたコーイチさんを誘って、3人で温泉に行きました。目指すは北海道の名湯『登別温泉』

 

車で1時間ほど走り、登別市内に入った頃にはお昼の時間も過ぎていました。

 

そこで

 

「お昼ご飯はコーイチさんの好きな『カツ丼』でもご馳走するよ」

 

と言ったら、それまでは話しかけても「あぁ」とか「そうだね」なんて気のない相槌しか返ってこなかったコーイチさんが

 

 

おっ、反応した。わかりやすい人である。

 

せっかくなので美味しいカツ丼を食べさせようと、伺いましたのは登別市幸町にあります

 

 

いずみ亭さん

 

お昼時にはいつも駐車場がいっぱいになっていて、通る度に気になっていたお店です。

 

3人小上がり席に座って、タッチパネルのメニューを見ていたら

 

 

「もりそばうどん食べ放題」もかなり気になったのですが、こちらは平日限定とのことで断念。

 

聞いたところによるとこちらのお店では「天丼」が人気らしいので、僕とゆういちさんは「天丼とミニそばセット」を、コーイチさんは「カツ丼」と「天ぷらそば」を注文しました。

 

待っている間に...

 

ゆういちさん 「今回昇進して、奥さんも喜んだんじゃない?給料も上がるしさ」

 

僕 「あなたステキよっ!チュ♡なんてね~」

 

と冗談で言ったら

 

「そんなわけないだろっ!!」

 

と返されるかと思ったら

 

 

そ、そうなんだ。実にわかりやすい人である...。

 

そんなことを言っているところへ、やってまいりました

 

天丼とミニそばセット

 

 

乗っているのは大きなエビ・イカ・カボチャに白身魚の天ぷら。どれもカラッと揚がっていい香り

 

 

天つゆは辛めの味付け。北海道産米の甘さが引き立ちます

 

 

もちろん蕎麦もおいしいです

 

 

添えられた『しいたけ味噌』は「途中で蕎麦に加えて味の変化をお楽しみください」とのこと。甘辛いしいたけに柑橘系の爽やかさが加わって、これもまたおいしい

 

 

ごちそうさまでした。カツ丼と天ぷらそばを平らげたコーイチさんも満足しておりました。

 

ご飯を食べた後は『登別万世閣』へ行きました。

 

 

何度も伺っておりますが、万世閣の白濁した温泉は心も体もリラックスさせてくれます。3人で露天風呂に浸かっている時にチラチラと雪が降ってきて、これもまた風情があって癒されます。

 

お風呂から上がって、冷たいビールをゴクゴクとうまそうに飲んだコーイチさん

 

 

よかった、よかった。

 

しばらく休んでから帰路に着きました。

 

「一旦家に帰ってから、夜また集まって飲もうぜ」と言う話になり、コーイチさんを家に送り届けました。

 

車の中でゆういちさんと2人になったところで

 

僕 「コーイチさんも元気が出たみたいで、よかったねぇ」

 

ゆういちさん 「この後楽しく酒を飲めば、しばらく頑張れるだろう。せっかくだから目いっぱい盛り上げてやろうぜ。そのためにも...仮装だなっ」

 

僕 「えっ?!」

 

ゆういちさん 「コーイチさんを盛り上げるために、あんたも一肌脱ぎなさいよっ!」

 

僕 「...」

 

夜になり、コーイチさんが僕の家にやって来ました。チャイムが鳴り「ど~ぞ~」と言ったら

 

 

コ、コーイチさんの奥さんっ?!

 

奥さん 「ちょ、ちょっとあんた達っ!何してるのっ?!」

 

ゆういちさん 「い、いや...これには事情が...」

 

僕 「コーイチさんを元気づけようと思って...」

 

しどろもどろに言い訳をする僕たちを見て、しばらく大笑いしていたコーイチさんが

 

「あんたらを見てると元気出てくるよ

 

 

これでいいのだ...って

 

全然よくないから~~~っ!!

 

おしまい

 

まぁ、コーイチさんが元気になってくれたのはよかったです...。