ドンナ ビアンカ 誉田哲也 | hiroのブログ

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ストロベリーナイトとは別の、女性刑事物のシリーズ。ただ、主人公の女性刑事は若くもないオバさんデカだけど、経験がある分、思慮深い捜査をするから、人間ドラマ的にはこっちの話が心に刺さる。


41歳の村瀬邦之 高校卒業後ずっと水商売をしてきたが、30代の半ば、飲食店で卸売りをする酒屋で働くことになった。彼が当時勤めていた店に配達に来る越田酒店の後藤が、人手が足りないから来てほしいと誘って、移った。

越田酒店で働くようになった、村瀬は、アンジェリカと言う店に酒を下してる時に、富士見フーズの専務取締役の副島孝と、その愛人でアンジェリカでホステスとして働く瑶子と出会った。

瑶子に恋心を持ったことで村瀬の人生が動く。瑶子は中国人で、不法滞在外国人だった。最初は村瀬の片思いだったが、瑶子とのみやで親しくなる機会があって、2人は両思いになるが、瑶子は、副島の愛人である状態のままだった。

副島が村瀬に近づく。不法滞在でいつ強制送還になるかわからない瑶子と形ばかりの結婚をして欲しいと言う事だった。しかも、自分の会社へ来ないかと給与のかさ上げをちらつかせた。その通りにした村瀬は更に、副島に利用されてゆく。それはすべて、瑶子を救いたいと言う気持ちからだった。

やくざと女でもめた副島は金が必要だった。そこで狂言誘拐を思い付く。会社から金をせしめようと。


その誘拐事件捜査に関係したのが警視庁練馬署の刑事魚住久江と峰岸巡査部長だった。そこの帳場にはかつて別の署で一緒だった金本が入っていた。金本は、久江が一度だけ体を重ねた相手だった。

事件は中々進展しない中、久江の洞察力と金本の経験が物を言わす。


副島は村瀬に左の小指を落とさせて、送り付けた。痛みに苦しむ村瀬を病院へ連れて行こうとした行為がもとで嘘がばれる。久江達は治療もせずにいる村瀬を見つけようと瑶子に、居場所の心当たりを聴きだす。はたして、村瀬は、瑶子と行きたいと言っていた横浜の山下公園のベンチで見つかった。意識のなかった彼を瑶子のキスが目覚めさせた。


金があれば、瑶子は副島から解放されて、自分たちは本物の夫婦になれる。そんな純情男の気持ちに漬けこんで行われた身勝手な犯行。更に自己保身のために、人の指を簡単におとさせる。だが、そんな男が世間的には地位も金も得ていて、この世の不条理を感じる。

だが、ベテランの刑事達は、そんな悪は絶対に見逃さない。カンを信じて、細部まで観察をして表情からいろんなものを読み取る。決して派手な刑事物ではないが、まなざしの鋭さ優しさが心地よい。