先日投稿した写真にはオリジナルとなる動画があり、ふと思い出したので再度確認してみた。

 

 

 

蝶というと、ひらひらと飛んで花から花を渡り歩くイメージ。

 

しかし、この日見たアカボシゴマダラは、フラフラと飛んできて地面に降りてきた。ひらひら・ふわふわと飛んできたというより、人間に例えるなら意識がもうろうとして「ふらふら」と飛んできた。

 

それに、地面に降りるなんてめずらしいと思ってスマホの動画を回し始めたのですが、しばらくすると黄色い口吻(ストローのような管)を伸ばして何かを探すような行動をし始めたのには少し驚いた。

 

ストロー(口吻)、意外とながいなぁ・・・

暑いから水分でも探しているのかな?

花の蜜なんて、そんなところにはないのに・・・

 

この動画を撮った時はそれくらいの事しか考えなかったのですが、もしかすると、このアカボシゴマダラは木の根から出ている樹液を探していたのかも知れない、と動画を振り返りながら思った。

 

後で調べてみると、餌は「花の蜜、腐った果実、樹液」とあるので、木の根の樹液を探していても不思議ではない。

しかし、周辺には花や灌木、樹液を出している木の幹もあり、少なくとも地面よりは水分にありつける可能性はある。

 

動画を撮影した時期の東京は、連日猛暑で雨もろくに降らず、人間でも参っていた。なので、自然界に暮らす動物・昆虫たちはなおさら暑くて水に飢えていたのではないかと思う。

 

人間であればエアコンの効いた部屋、緊急避難的にコンビニに入って涼み、ついでに飲み物を買って水分補給、なんてことが簡単にできる。が、動物・昆虫たちはそんな環境下にない。

 

もし彼らがコンビニに入ってきたら、「ギャー」と害獣・害虫扱いになるから可哀そうである。

 

ましてや、こんなに美しいアカボシゴマダラは外来種。

 

特定外来生物に指定されているので、魚でいえばブラックバスやブルーギル、アカミミガメ(通称:ミドリガメ)と同じ扱いになり、輸入、放出、飼養等、譲渡し等の禁止といった厳しい規制がかかっているので、イメージはよくない。

 

*特定外来生物:外来生物(海外起源の外来種)であって、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼすおそれがあるものの中から指定されます。指定された生物の取り扱いについては、輸入、放出、飼養等、譲渡し等の禁止といった厳しい規制がかかります。(環境省HPより)

 

 

アカボシゴマダラ、原産地は中国大陸。

1998年に神奈川県藤沢市で突如出現し始めたことより、蝶マニアによる人為的な放蝶(ゲリラ放虫)の可能性が高いといわれている。

マニアによる鑑賞・飼育目的で日本に入ってきたものが逃げ出したのか、意図的に放蝶されたのかは不明だが、いずれにしても人為的なものには違いない。

 

しかし、ひらひらと優雅に飛んでいる蝶を見ると、その美しさや可愛らしさに目を奪われてしまうのだが、特定外来生物となると心境は複雑になる。

 

「罪を憎んで人を憎まず」ではないが、「罪を憎んで蝶を憎まず」。

 

悪いのはその状況を作り出した人間であり、動物・昆虫たちはむしろ被害的立場にあるのかもしれない。人間にとって増えすぎて害を及ぼす存在になると、突如として害獣・害虫扱いとなるのだから。

 

どこまで続くか環境破壊 いつまで続くか環境破壊

 

人間の飽くなき欲望の追求は、いったいどんな未来を作るのだろうか・・・?