今年に入って以降、日向灘を震源とするM3以上の地震はきのうまでに17回も起きている。3月27日にはM5クラスが同じ日に2回も発生している。茨城県沖や紀伊水道でも地震が頻発しているが、これらも南海トラフの動きだ。

 きのうの地震は南海トラフ巨大地震の警鐘と捉えた方がいい。ところが、気象庁の対応は不可解だった。地震発生後、緊急会見した気象庁地震津波監視課の中村雅基課長は「震源は南海トラフ地震の想定震源域だが、直ちに巨大地震につながるものではない」とし、巨大地震への懸念を即刻、火消ししたのである。

「このところ、気象庁は不安を打ち消すことを繰り返しています。今年はG20、ラグビーW杯、来年には東京五輪を控え、対外的に“危ない国”という印象を与えたくない政権に忖度しているのではないか。本来、気象庁は、科学的に冷静に判断し、国民に警鐘を鳴らすのが役目です。10日の地震も含めてデータを客観的に見れば、南海トラフ巨大地震は1~2年以内に起きると考えるのが自然です」(高橋学氏)

 危ないものにはフタということなのか。

南海トラフ巨大地震を即否定 気象庁の“忖度”を識者が懸念(日刊ゲンダイDIGITAL) - Yahoo!ニュース