会社の帰りに地下鉄を乗ろうと階段を降りていました。


時間は夜の11時過ぎ。


終電にはまだあと1時間ぐらいありますが、一本一本の間隔はやや長くなってきている時間帯です。


節電の為に動いていないエスカレーターの横をやや急ぎ足で駆け下りると、閉鎖されているハズのエスカレーターの方からガタガタン!って音が聞こえました。


あれっと思いましたが、急いでいたのでエスカレーターの横を通り過ぎ、改札口へ向かいながら音のした方を振り返ってみたんです。


すると入り口を閉鎖されて動いていないエスカレーターの階段の部分に人影が見えました。


酔っ払いです。さっきのガタガタン!って音は、動いていない階段を踏み外した音。


酔っ払いは階段の波に飲み込まれたみたいにひっくり返っていました。


そんな酔っ払いに構ってられないので、私は改札口を通ってホームへ急ぎました。


でも残念ながら、電車が行ってしまった直後。


次の電車まで10分ぐらい待たなければならないので、ホームのベンチに座りました。


その数分後、ホームで
「あーっ!」って声が聞こえました。


見ると千鳥足のサラリーマンがホームから線路に落ちる瞬間でした。


間違い無くさっかエスカレーターでひっくり返っていた酔っ払い。


近くにいた二人組が、慌てて駅員を呼んできました。


間もなく電車がホームに入ってくる時間。


駅員はすぐに近くにあった非常ベルを鳴らし、緊急事態として電車を止めました。


さらに仲間の駅員を呼んで、線路に落ちた酔っ払いを引っ張り上げ、落ちた時に散らばった定期やら荷物をテキパキと拾ってあげました。


お~、やるじゃん。駅員さん。


酔っ払いはベンチに座らされ荷物を受け取ると
「しゅみましぇーん」
と活舌悪い芸人みたいに返事をしていました。


結局、酔っ払いのせいで止められた電車が来たのは、予定時刻を20分ぐらい過ぎた頃でした。


もー!えらい迷惑です。この酔っ払い!