終電で帰った夜、駅から家に向かって歩いていると、後ろの方からでっかい歌声が近付いて来ました。


普通に歩いてるよりも、かなり速い勢いで近寄ってくる歌声。


多分酔っ払いが自転車に乗りながら大声で歌っているんだと思い、私は他人事だと無視して、そのまま歩き続けました。


ところがその歌声が、どんどん私の方に向かって近付いて来ます。


嫌な予感がして、とにかくスタスタと早歩きで家に向かいましたが、そのペースを遥かに上回る速さ。
そしてその歌声のデカさったら、今までカラオケBOX以外では聞いた事がないようなくらい馬鹿デカさ。


かなりヤバい系の人が歌っているに間違いありません。


幸い、その歌声に追いつかれる前に何とかマンション裏に到着し、さっと裏から敷地内に入りました。


敷地内に入ってすぐに後ろを振り向くと、自転車に乗った酔っ払いが、自転車に跨ったまま、止まってこっちを見ているんです!


「げっ!怖っ!」
ぞぞ~っと毛穴が逆立ちました。


こんな変な酔っ払いに絡まれるとロクな事は無いので、敷地内裏から急いでマンションの正面入り口へ回り、鍵を使ってオートロックのドアからマンションの中へ入りました。


その間も、酔っ払いのでっかい歌声は聞こえています。
でもオートロックの内側エリアに入ったのでちょっと安心。
ポスト内の郵便物を確認して、エレベーターホールの方へ歩いて行きました。


ところが、その歌声がさらに大きくなり、エレベーターホールの方へ近付いて来ます!
「え?もしかしてマンションの裏口から何かの拍子に酔っ払いが侵入した?俺を追いかけて来た!」


情けないけど心臓がドキドキしました。


薄暗い明かりの中、度胸を決めてそのまま進んで行くと、裏の通路から入ってきたであろうその歌声の主とエレベーターの前でバッタリ遭遇!!
ぎゃ~!!






















なんとその酔っ払いは白いインナー型のヘッドフォンをしていました。


私の顔を見るなり、バツの悪そうな顔をしながらペコリと頭を下げ、ヘッドフォンを外して、どーぞって仕草で私を先にエレベーターに乗せてくれました。


なーる程。この酔っ払い、ヘッドフォンをしていたから自分の声の大きさに気が付かなかったのね。
気持ち良~く聞こえる音楽に合わせて歌ってたのが、あの歌声だった訳か。
しかもこの人、同じマンションの住人じゃん。


一人で勝手にびびった自分に反省ー。


でも久々にマジでびびったっす。