昨日に引き続き「ある女シリーズ」です。
「カターン。カターン。」
通勤電車の中、どこかから音がします。
私の会社は始業時間が10時と遅めのため、基本的に朝は通勤ラッシュとは無縁の毎日。
運が良ければ会社までずっと座れるし、座れなくても車内は人が少なくて、小さな音でも案外気になるもんなんです。
「カターン。カターン。カターン。」
その音がいつまでも続くので、その音の主を探そうと、私が周りをキョロキョロと見ていると、同じく近くの人達も私同様にキョロキョロとしていました。
やっぱり皆、気になっているみたいでした。
カターンの原因はすぐに分かりました。
ドアを入ってすぐの所にいる、母親とバギーに乗った赤ちゃん。
その赤ちゃんが左足を上げたり下げたりする度に、バギーの一部に足が当たって「カターン。カターン。」と音を立てているのでした。
多分、その赤ちゃんは1歳になるかならないかぐらい。
まあ、仕方ないかな…って思いつつも、いつまでもこの音が続くとさすがに気になってきます。
丁度、席が埋まるぐらいの人数しかのっていない車内では、誰も会話すらしていないので、その「カターン。」はほとんどの人がちょっと不快に感じるぐらいの大きさです。
ちょっと気が利く母親だったら、子供の足が当たらないように、赤ちゃんの位置を動かすとか何とかしようとするのが普通だと思いますけど。
私のすぐ近くにいたその母親の様子を横目で見てみると、携帯電話のディスプレイを見ながらカチャカチャとキーの入力に没頭しています。
自分の子供の足から発している音も、周りの人達が不快に感じている様子も全く気にしていません。
白地に水色のストライプが入った涼しげなワンピースに麦わら帽子。
帽子の下から伸びた茶色いロングヘアーもバランスが良くて、とてもお洒落な格好の若い母親です。
外見がステキな反面、周りが全く見えていない様子が、逆に彼女をいっそう自己中心的に見せてしまっているような気がします…。
残念だな~。