気が付くと、マリの話その2 を書いてから、3ヶ月が経過していました。
そこで今日は久し振りにマリの話です。
「あの~、うちの庭にいる猫ちゃん、こいしぶきさんの家のじゃないかしら?」
近所のおばさんから声を掛けられて、そう言えばマリが2~3日帰って来ていない事に気が付いて、3軒隣の家に行ってみたんです。
その家の庭の奥にある、低い壁の上にうずくまる様に座っていたのは確かにマリでした。
事前にそのおばさんが、マリに近づくいて触ろうとすると「ふー!!」っと威嚇するので手が出せず、多分飼い主であろう我が家に声を掛けてくれたんです。
私と母が「マリ~。」と呼びかけると、マリは弱々しそうな声で「ぎゃ~ん」と返事をしました。
近づいて抱っこしてあげると、ややグッタリして元気がありません。
とりあえず、家に連れて帰ってご飯をあげてみましたが、なぜか食べようとしないんです。
「どうした?マリ。」と顔を撫でてあげた時にやっと気が付きました。
口から血が出ています。
唇を上に引っ張って、歯をチェックしてみると一番長い糸切り歯の片方が折れています。
さらに顎にも怪我をしているようです。
すぐに近くの獣医さんに連れて行きました。
実は外猫のマリは今まで獣医にかかった事は一度もありません。
病院の中で、慣れない雰囲気にちょっと怯えた様子のマリ。
「暴れないようにしっかり押さえてて下さいね。」とやや逃げ腰の獣医に言われて、ちょっとムカッとしましたが、診察台の上のマリが逃げないように私は両手で押さえました。
血が流れている口の辺りの様子を、ピンセットに挟んだガーゼでちょこちょこっと診た獣医さんは
「あ~、これはきっと車かなにかにぶつかったんだと思います。」
マリは交通事故にあったんだ…。ここで初めて解りました。
多分、あのうずくまっていた家の近くて車に引かれて、何とか低い壁の上まで辿り着いてそこで休んでいたんでしょう。
「歯と顎が折れているので、自分でご飯が食べられないと思いますよ。どうします?薬で処分しちゃいますか?」
いきなり獣医さんに言われて私も母もビックリしました。
まだ普通に生きて動いているのに、歯が折れているからって薬で殺しちゃうの?
いやにあっさりと薬殺の選択を提案するこの獣医は何なの?
10年以上も可愛がっているマリを、こんな簡単に諦められるわけがありません。
とりあえず家に連れて帰って自分達で世話をする事を伝えると
「もうダメだと思いますよ…。」とあくまでも薬殺を勧める獣医。
もしダメでも家で最後を看取ってやりたいので、その日は診察代だけ(結構高かった!)払ってマリを抱っこしながら帰りました。
その日の夜から、マリのご飯はスポイトを使った流動食。
マリが好きだったゼリーとかプリンとかをスポイトに吸わせて、チューって歯と歯の間から口の中に流し込みました。
毎日毎日、流動食を続けていると少しずつ口が開くようになりました。大好物だったチーズも小さくちぎって舌の上に乗せると美味しそうに飲み込めるようにもなったんです。
そして数ヶ月もすると、マリはすっかり元気になり、自分一人でもご飯が食べられるようになりました。
モチロン歯は折れたままですが、顎は普通にモグモグと動かして食べています。
あの獣医の診察は一体何だったんでしょうか!!
当時、母親と話したのをよく覚えています。
「あの時にマリを諦めないで本当に良かったね~♪」って。
マリの薬殺を勧めた獣医には、二度と行かなかったのは言うまでもありません。