基本的に駆け込み乗車が嫌いな私は、普段は階段を駆け降りたりはしません。




でも今朝はいつもより、家を出るのが遅れてちょっと急いでたんです。




改札を通り抜けると、ホームに電車が入って来た音がしたので階段を1段飛ばしで駆け降りると、案の定プルルル~って発車を告げるベル(というか電子音?)が鳴っています。




悪天候の為ダイヤが乱れたのか、通常よりホームに人が多く、いつも乗る乗車口にも乗り込む人が溢れていました。




乗り遅れたらヤバいって一瞬の判断で、人が少なかった一つ前の車両の一番後ろのドアに滑り込みました。




「ふーっ。こんなんじゃいかんな~。」と思いつつ、一息付いてさっき滑り込んできたドアに寄りかかっていると、目の前にいる女性の刺すような視線を感じました。




「何この人。俺の事、痴漢か何かかと疑ってる?」




と勝手な想像をしながら、車内の様子を何気なく伺って見ると周りは女性ばっかり…。




「し、しまった…。ここ女性専用車両だ!」




時間は朝の9時10分。




女性専用車両は9時半までだから、まだあと20分間は男性は乗れません。




どうしようかと思いましたが、次の駅は今自分が寄りかかっているドアの反対側が開きます。




車両を横切って反対側のドアから降りるのは、ちょっとした人垣を抜けるのでかなり恥ずかしい。




こちら側のドアから出て、しら~っと隣の車両に移る方が多分、被害は最小だな…。




と独り善がりの判断をして、伏し目がちに立ったままヨガのシャバースナのポ~ズ。




しかし、寄りかかっている側のドアが次に開くのは3つ先の駅。




それまで約10分間はじ~と動かずに、ドアに寄りかかって下を向き、存在をなるべく消すしかありません。




銀色の手すりに背中をくっ付けてじ~としているその様は、まるで枯れ木にくっ付いて冬を越す蛾のさなぎ…。




たまたまその時、私は茶色いコート来ていたので、等身大の蛾のさなぎがいたら正にこんな感じだったのかも。




春を待つさなぎの気持ちが、ちょっとだけ解ったひと時です。




さて、ようやく3つ先の駅までさなぎ状態で頑張った私は、その駅から乗ってきた乗客を装い、速攻でとなりの車両に移動。




女性専用車よりもかなり混んでましたが、気分的にはほっと胸を撫で下ろした感じです。




再び電車が次の駅に向かって走り出すると、たった今安堵した私には無情とも言えるアナウンスが車内に流れました。




「え~、本日は電車遅延によるダイヤ乱れの為~、女性専用車を中止しております~。ご理解頂けます様、宜しくお願い致しま~す。」




「ご理解出来ね~よ!」(我が家風)