8月22日 曇り


今日は休み。

9時半のメールには「朝食ほぼ完食 午後から洗髪手伝って」と書いてあった。



家を出るときに何か食べたい物はないか母にメールすると「なにもいらない」とだけあった。

ところてんが欲しいと言っていたのでところてんもいらないのか確認のメールを送るが返事は無い。

おかしいなーと思いながら一応ところてんを買っていると電話がなった。



姉からだった。

「今日回診に来た先生に結果がどうだったのか聞いたら、抗がん剤効いてなかったって言われたんだって・・・」

ショックを受けている様子。

だから母も何も食べたくないとメールしてきたのか・・・





とりあえず急いで病院へ行く。

病室から出てとぼとぼ歩いている母を発見。

後から追いかけて肩を叩くが、振り向いた母は生気のない顔で「あぁ・・・」と言っただけだった。



トイレから戻ってきた母はやっぱり元気が無い。

先生から話を聞いたことを話し始める。




頑張ったのにダメだった。

まぁ、効かないこともあるって先生言ってたもんね・・・

やるだけやったからいいかな・・・




ショックは大きいようだけどなんとか受け入れようとはしている様子で思ったよりも元気だった。

下痢は続いているが水様便から軟便になってきているらしい。

口唇の炎症もあるが食事も出来ているし、買ってきたところてんも少し食べていた。



昨日の電話で姉も母から元気の無いメールばかりだとこっちも元気なくなると言っていたので、姉に母は大丈夫だとメールするよう促し、メールさせた。

本当はあまりそう書きたく無かったようだったが、後から姉から頑張るってメールもらって安心した。とメールが来てそう書いて良かったと言っていた。




14時ごろお風呂予定だったらしいので、準備をしてお風呂介助する。

洗髪する前から髪の毛はざくざく抜けている。

昨日はずっと帽子をかぶっていたのでわからなかったが、髪の毛は相当抜けていて地肌が見えていた。

手ぐしを入れるたびに手にたくさんの髪の毛がついてくる。




風呂場の髪の毛の処理をして、部屋でドライヤーをかけたあとの髪の毛の処理をして・・・

何度髪の毛の処理をしてもタオルやシーツに髪の毛がついている。




抜けた髪の毛を見るたびに母はがっくりしている。

こんなに髪の毛が抜けたのに薬は効いていなかったなんて・・・

こんなに頑張ったのに薬が効かないなんて・・・



再びなんで私だけが・・・と言い始めた。




そういう話を聞くとつい言ってしまう。






「本田美奈子はきっともっと頑張ったんだよ。それでもダメなときもあるんだから・・・。」





以前本田美奈子さんのドキュメンタリー番組を見て感動していたので、自分だけが闘病しているわけじゃなくてもっともっと頑張っていた人がいるんだということを伝えたかったのだが、母にはうまく伝わらず・・・



「そうだね。あんなに若いのにね・・・。 ん?じゃ、お母さんはもういい年だから十分長生きしたって言いたいの!?だからもういいじゃないって言いたいの!?」


なんていい始めてしまった・・・

そうじゃないんだけどさぁ・・・




そして知人の旦那さんの話をし始めた。

奥さんががんになったときに医師に「頼むからあと20年生かして欲しい」と懇願したらしい。

母はどうも父にも医師に懇願して欲しいと思っているらしいが、父はそんな人じゃない。

母が今日医師に聞いた話を父に電話で説明しても父はピンと来ていない様子。


しまいにまた母が怒り始めた。





それを見ていて私もイライラ。





父にそうして欲しい気持ちもわからなくもないが、人には出来ることと出来ないことがある。

父に過大な期待をしても結局裏切られてガッカリするのが目に見えてる。

最初から期待しないのが一番だ。


父だって午前4時から仕事して昼になったら2時間かけて付き添いのために札幌に来ている。

母が何か買って欲しいと頼めばなんだかんだ言って買ってくる。


うちの父にはそれが精一杯だろう。

私はそれだけでも十分すぎるような気がした。




欲求は尽きない。




母曰く。

父は言えばする人だからいいんだ。なんて言っていた。




それでいいならいいんだけど・・・





明日は14時から医師の話がある。

今後どうなるのか。


最初、医師の話では今回の抗がん剤が効果なければ緩和ケアになると言ってたけど・・・


                  胃がんキロク