
『The Tall Ships』 / IT BITES (2008)
1.Oh My God
2.Ghosts
3.Playground
4.Memory Of Water
5.Tall Ships
6.Wind That Shakes The Barley
7.Great Disasters
8.Fahrenheit
9.For Safekeeping
10.Lights
11.This Is England
IT BITESと言えば、オリジナルメンバーのフランシス・ダナリー(Vo/Gt)在籍時の作品が日本では人気がありますね。
それらの作品も勿論素晴らしいのですが、IT BITESのアルバムで最初に手にしたのが本作であり、大好きな作品でもあるので紹介させていただきます。
この作品の最も大きなアピールポイントとして挙げられるのが、フロストやARENA等で活躍している、ジョン・ミッチェルの貢献でしょう。
彼の事は殆ど何も知らない状態で聴きましたが、少しハスキーがかった特徴的なボーカルと、センス溢れるギタープレイは物凄く印象的でした。
【オススメ曲】
1.「Oh My God」
何重にも重なったコーラスで始まるイントロが印象的なオープニングトラック。
非常に爽やかな曲調で、フックに富んだメロディラインに魅了される。
プログレというイメージで聴き臨んだので少々面食らったものの、単純に楽曲が良いのでいい意味で裏切られた感じ。
シンプルな演奏であるものの、その安定したアンサンブルを聴けば彼らの実力の高さが分かる。
2.「Ghosts」
ゆったりとした 1 とは対照的にハードドライヴィンな曲。
胸のすくようなハードロックサウンドがとても気持ちいい。
キレッキレの演奏力には唸らさせるし、ジョンの中低音域メインの味のあるボーカルもまた良い。
文句なくカッコいいです。
5.「The Tall Ships」
おおらかでスケール感の大きいバラード。
タイトル通り、これから大海原に舟で旅立つ姿が目に浮かぶ、映像喚起型ソングのようだ。
3:30あたりからの展開もいい。
ファルセットを用いたジョンの歌唱が、とてもいい叙情味を醸し出している。
8.「Fahrenheit」
とにかくこの曲は、ジョンの歌を聴かせるための曲と言っていいほど、ボーカルが目立っている。
彼の歌は、めちゃめちゃ上手いと言う訳ではないが、クセも無く伸びやかな歌唱は、普遍的な魅力を持っていると思う。
前任のフランシスは少しクセがあり、この素晴らしく爽やかなサウンドは、このメンバーだからこそ作り得たのかも知れない。
10.「Lights」
タイトル通り、光が差し込み目の前がパッと開けるような、爽快なイントロが耳を捉える。
ポップなエッセンスが散りばめられたメロディラインとキラキラしたサウンド。
シンプルな中にさり気なくバカテクを取り入れたギター・ソロ。
これは良い曲。
全体的にメロディに重点を置いたプログレハードという感じで、割とコンパクトな曲が多いです。
上に紹介した曲以外にも、非常にポップセンス溢れ、肌触りが良く聴きやすい曲が多数収録されています。
約13分の長尺曲 11.「This Is Englnd」のように、場面展開の多いプログレ色の濃い曲も入っています。
僕は予備知識なくニュートラルな気持ちで本作を聴き、すぐに気に入りました。
IT BITESをプログレバンドと呼ぶ人が多いので、ゴリゴリのプログレを期待して聴くと肩透かしを食うかもしれません。
しかし、過去の作品を聴くと、元々コンパクトな曲主体のアルバムばかりで、これはこれで正解だと気付かされます。
あまりプログレというジャンルに拘らず、肩肘張らずに聴くととてもいいアルバムだと思うはず……いや、思ってほしい(笑)。