Emitt Rhodes (エミット・ローズ)。
アメリカ出身のシンガーソングライターで、主に70年代初頭に活動していました。
彼を知ったのは昨年ユニバーサルの名盤復刻シリーズの一枚として発売された2ndアルバム。
『S・T』/ Emitt Rhodes (1970)
帯のタタキに “ポール・マッカートニーよりポールらしい” という文句があり、「ホンマかいな?」と思いつつもまんまとその戦略に引っ掛かりw、加えて1100円の廉価版だったので興味本位で購入したのがキッカケ。
「一人ビートルズ」とも呼ばれていた彼ですが、実際に聴いてみるとポール以上とは決して言えないものの、素晴らしいポップセンスに溢れた楽曲の数々にすぐに魅了されました。
今回紹介するのは、その1stよりも好みでよく聴いている2016年に発表された『Rainbow Ends』。
エミット・ローズはデビュー以降4枚のアルバムを発表しましたが、1973年に『Farewell to Paradice』を発表したのを最後に音楽業界から姿を消します。
よってこの『Rainbow Ends』は、実に43年ぶり(❗)のオリジナルアルバムであり、2020年に70歳の若さで亡くなった彼の生前最後の作品となります。
本作には40年以上のブランクが何だったのかと思うほど、魅力的な楽曲の数々が収められています。
「Dog On A Chain」
ビートルズっぽさはほぼ感じませんが、非凡なポップセンス、メロディセンスを感じさせる渋い大人のロック。
70年代の頃よりかなり声が低くなっていますが、どこか寂しげで憂いを帯びた歌唱にはグッと来るものがあります。
「This Wall Between Us」
哀愁のメロディラインと美しいコーラスワークが秀逸なバラード。
バックの演奏も堅実な仕事をしています。
「I Can't Tell My Heart」
こちらもバラードですが、こちらは悲哀に満ち、泣きがより強調された違うタイプのバラード。
「Put Some Rhythm To It」
これは若干ポールっぽさを感じる明るいポップロック。
「Rainbow Ends」
アルバム最後に収録されているこの曲は、新しい未来を見据えているかのようなドリーミーで雄大な雰囲気に包まれている。
こういうのを聴くと、まだまだ活動してほしかったと思わざるを得ない………。
上にも書きましたが、とても40年以上のブランクがあるとは思えないほど佳曲が沢山詰まった作品です。
ポールと比較してどうのというのは一旦忘れて、ニュートラルな気持ちで聴いてほしい、そんな作品だと思います。

