「ここ、デートで来る場所じゃないかも。」

そう思ったのは、
帰り道でした。

昼間はあんなに笑って、
写真もたくさん撮ったのに。

なのに心だけが、
妙に冷えていたんです。

その日行ったのは、
話題の大型アミューズメント施設。

買い物もできて、
ゲームもあって、
映えるごはんもある。

女子同士なら、
たぶん大正解です。

でもデートとなると、
話が少し変わりました。

彼は着くなり、
最初の1時間、
ずっとゲームコーナー。


「これ懐かしいな」
「ちょっと待って、今いいとこ」

楽しそうなのは
伝わるんです。

でも私は、
その横で立ったまま。

(あれ、私って今日、
何しに来たんだっけ)

やっと移動したと思ったら、
今度はショップ巡り。

「これ見て、かわいくない?」
と私が言っても、

「うん、いいね」
で終わる。

会話が広がらないと、
景色まで薄く見えます。

ごはんの時間も、
少しちぐはぐでした。

フードコートで
席を探していたら、

彼が先に座って、
スマホを見始めたんです。

 

「え、取ってくれてたの、
自分の席だけなんだ。」


口には出せず、
胸の中だけでつぶやきました。

もちろん、
悪気はなかったと思います。

そういう人、
いるんですよね。

気が利かないというより、
自分の楽しさに夢中な人。

でもデートって、
そこが全部出る気がします。

半日一緒にいるだけで、
会話の温度も、
気づかいの差も見えてしまう。


しかもこういう場所って、
刺激が多いじゃないですか。

歩く。
待つ。
選ぶ。
食べる。

小さな判断の連続です。

そのたびに、
相手の素が出るんです。

楽しい場所ほど、相性の悪さがごまかせない。

それに気づいた瞬間、
少しだけ気持ちが変わりました。

それまでは、
「つまらないデートだった」
と思っていたんです。

でも違いました。

場所が悪かったというより、
相手との温度差が
見えただけだった。

そこが転換点でした。

「次、どうする?」
と聞かれても、

前みたいに
わくわくしなかったんです。

「どこでもいいよ」
と返した自分に、

(あ、冷めてる)
と気づいてしまった。

たぶん、映画館とか、
静かなカフェだったら、

ここまで気にならなかったかも
しれません。

でも、
遊ぶ要素が多い場所ほど、

誰を見ているか、
何を優先するかが
くっきり出ます。

楽しい場所で雑に扱われると、
地味に効くんですよね。


逆に、
特別な場所じゃなくても、

ちゃんと目を見てくれて、
一緒に笑ってくれる人なら、

コンビニの寄り道すら
楽しいんだと思います。

デートの正解って、
映えでも、人気スポットでもなくて、

「一緒にいて、
ちゃんと大事にされるか」
なのかもしれません。


あの場所は、
遊ぶには本当に有りでした。

でも恋を育てるには、
少し騒がしすぎたです。

たぶん場所じゃない。
そこなんです。

 

 

 

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「やっと、今日が終わった…」

そう思ったのに、  
時計を見るとまだ21時半でした。  

子どもを寝かせた後って、  
一日が終わる時間じゃなくて、  
ようやく自分に戻る時間です。  

夕飯の片づけをして、  
明日の水筒を洗って、  
散らかった床を足で寄せる。  

本当はそのまま寝たい。  
でも、寝たら終わるんです。  

この静けさが、  
もったいなくて。  

リビングの電気を少し落として、  
ソファに座る。  

誰にも呼ばれない数分が、  
こんなに贅沢だなんて、  
昔は思いませんでした。  

「ママ、お茶ちょうだい」  
「ママ、見て」  
「ママ、まだ寝ない」  

昼間はずっと、  
名前を呼ばれていた気がします。  

うれしいはずなのに、  
何度も続くと、  
心がすり減る日もある。  

(ひとりになりたい)  

そう思った瞬間、  
少しだけ自分が嫌になります。  

母親なのに、って。  
ちゃんと愛してるのに、って。  

でも夜になると、  
そんな気持ちが少し緩むんです。  

お気に入りのマグに、  
少し濃いめのカフェオレ。  

湯気を見ているだけで、  
呼吸が深くなる夜があります。
 

誰にも急かされずに、  
ドラマを10分だけ見る。  

スマホを開いて、  
友だちの投稿をぼんやり読む。  

それだけなのに、  
自分が空っぽじゃないと  
思えるんですよね。  

でも、そんな時間に限って、  
小さな足音がするんです。  

「ママ…」  

来た、と思いました。  
反射で背筋が伸びます。  

「どうしたの?」  
「お水…ほしい」  

はいはい、と立ち上がりながら、  
(今の私時間、終了ですね)  
と少しだけ肩を落としました。  

コップを渡すと、  
子どもが眠そうな顔で  
私を見上げたんです。  

「ママ、まだ起きてたの?」  

そのひと言に、  
なぜか胸がきゅっとなりました。
 

起きてたよ、とは言わず、  
「ちょっとだけね」と返しました。  

すると子どもが、  
「よかった」と小さく言って、  
また布団に戻ったんです。  

その背中を見た瞬間、  
さっきまでの脱力が、  
別の気持ちに変わりました。  

ああ、この子もきっと、  
私がいるだけで  
安心する夜があるんだなって。  

昼間は追われてばかりで、  
早く寝てほしいと思って、  
やっと寝たらひとりになりたくて。  

なんだか勝手ですよね。  
でも、それでいいのかも。  

ずっと優しい母でいるのは、  
正直むずかしいです。  

ひとりになりたい夜があるから、  
また明日、笑える。  


そう思えたら、  
少しだけ自分を許せました。  

寝かしつけ後の時間って、  
何かを頑張るためじゃなく、  
削れた心を戻す時間なのかも。  

家事を片づける日もあるし、  
何もしない日もあります。  

お菓子を食べすぎる日も、  
スマホだけで終わる日もある。  

でもそのどれも、  
たぶん無駄じゃない。  

たった30分でも、  
自分のために使えた夜は、  
次の日の顔が少し違います。
 

母でも妻でもない、  
ただの自分に戻る時間。  

それがあるだけで、  
救われる夜ってありますよね。  

今夜もたぶん、  
静かなリビングで  
ひと息つくと思います。  

また明日のために。

 

 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 

楽天市場

 

 

 

楽天市場

 

 

 

 


「え、これ本当に私で合ってます?」

 
思わずそう聞き返したのは、
レジ前で店員さんが
二度見した瞬間でした。

 
その日、私はただ
日用品を買いに来ただけです。

 
洗剤にトイレットペーパー。
子どものおやつも少し。

 
特売に惹かれて、
あれこれカゴに入れたら
思ったより山盛りでした。

 
(絶対、予算オーバーだな)
そう思いながら並んだんです。

 
前の人が終わって、
私の番になりました。

 
店員さんが商品を通すたび、
心の中で合計を足します。

 
「3,980円くらいかな」
そんな予想でした。


 
最近、何でも高いですよね。

 
前は気軽に買えたものも、
今は一瞬ためらいます。

 
だからレジって、
地味に緊張するんです。

 
しかもその日は、
ポイント5倍デーでした。

 
「アプリありますか?」
と聞かれて、
慌てて画面を開きます。

 
こういう時に限って、
明るさが暗すぎたり、
通信が遅かったりする。

 
「あっ、すみません、
ちょっと待ってください」


 
後ろに人も並んでいて、
それだけで変な汗が出ます。

 
やっとバーコードを出して、
会計が進んだその時でした。

 
店員さんが画面を見て、
一瞬止まったんです。

 
「お客様、
キャンペーン当選しています」

 
(え、何の話?)
頭がついていきません。

 
「本日のお会計、
全額ポイント利用で
お支払いできます」

 
その瞬間、レジの床が少し浮いた気がしました。

 
いや、そんなことあります?

 
私はポイントを
ちまちま貯めるタイプです。

 
でも使うのが惜しくて、
ずっと残していたんですよ。

 
それにしても全額って。
そんな都合のいい話、
急に来ます?

 
「こちらで使われますか?」
と聞かれて、
一瞬だけ迷いました。

 
今使うべきか。
もっと大きな出費に
残すべきか。

 
でも後ろには列。
頭は真っ白。

 
「つ、使います」
ほぼ反射でした。


 
店員さんが操作して、
表示された金額を見て
また固まりました。

 
請求額、0円。

 
あんなに山盛りだったカゴが、
まるごと無料になったんです。

 
さっきまで
「買いすぎたかも」と
縮こまっていたのに。

 
次の瞬間には、
心がふわっと軽くなりました。

 
この切り替わり、
自分でも笑います。

 
帰り道、袋は重いのに
足取りだけ軽くて。

 
なんなら少しだけ
空もきれいに見えました。

 
家に着いて夫に話すと、
「宝くじ買えば?」と一言。

 
いや、そうなるよねと
思いながらも、
私は首を振りました。

 
もう十分すぎたんです。

 
大当たりみたいな出来事って、
派手なものじゃなくて。

 
いつものスーパーで、
いつもの買い物の中に
急に紛れてくるんですね。

 
もちろん、
本当に一生分の運かは
わかりません。

 
でもあの日の私は、
確かに救われました。

 
数千円の話なのに、
気持ちまで違ったから。

 
ああいう瞬間があると、
また頑張れますね。

 
小さくない奇跡でした。

 

 

 

 

 

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「もう、いらないかも…」

夕飯の食卓で、つい口から漏れた一言。

目の前にあるのは、私が長年「世界一好き」と言い続けてきた唐揚げでした。

学生時代は10個でも余裕

社会人になってからも、お弁当に入っていたら一日中ご機嫌。

夫と出会ったきっかけだって、居酒屋の唐揚げを取り合ったことだった。

それなのに。

その日、私はたったの3個で箸を置いてしまったんです

夫が心配そうに聞いてきました。

「体調悪い?いつもならおかわりするのに」

(違う、悪くない。ただ、入らない)

胃のあたりが、ずっしりと重い。

油の香りが、なぜか少し苦しい。

「ねえ、私もう若くないのかも」

ぽつりとつぶやくと、夫は笑いました。

「何言ってんの、まだ40だよ」

まだ、じゃない。

もう、なんですよ。

子どもの頃から数えて、私は何千個の唐揚げを食べてきたんだろう。

母が揚げてくれた、衣の厚いやつ。

部活帰りに買い食いした、コンビニの熱々のやつ。

夫と初めて作った、少し焦げたやつ。

思い出ごと、ぜんぶ大好物だった。

なのに体は、正直なんですね。

「美味しい」より先に「重い」が来てしまう。

その夜、お風呂で鏡を見ました。

目尻の小ジワ、お腹のお肉、そして少し疲れた顔。

昔の自分とは、確実に違う体になっていた。

なんだか少し、寂しくなりました。

好きなものを好きなだけ食べられた、あの頃にはもう戻れない。

ふと、母のことを思い出しました。

実家に帰るたび、母が「もう揚げ物はいいわ」と言うのを、私は不思議に思っていたんです。

「あんなに好きだったのに、なんで?」って。

今、わかりました。お母さん、こういうことだったんだね。

体が欲しがるものは、年齢とともに静かに入れ替わっていく。

それは悲しいことなのか、自然なことなのか。

たぶん、両方なんだと思います。

翌朝、残った唐揚げを夫が嬉しそうに頬張っていました。

その姿を見ながら、私は温かいお味噌汁をすすった。

「これが沁みる」って、思っちゃったんですよね。

ああ、私もそっち側になったんだ。

少しだけ笑えて、少しだけ切ない朝。

大人になるって、こういうこと。

 

 

 

 

楽天市場

 

 

 

「ママ、だいすき」

その一言で、私は布団の中で固まった。

時刻は深夜1時すぎ。

寝かしつけのあと、ようやく自分の時間と思って隣に寝転んだ瞬間でした。

(え、今、起きてる?)

そっと顔を覗き込むと、娘は完全に夢の中。

すーすーと寝息を立てています。

「寝言で、ママ大好きって言った…?」

思わず声に出してしまいました。

その日、私は正直イライラしていたんです。

ご飯はこぼす、お風呂は嫌がる、寝かしつけに2時間

「もう早く寝てよ!」

つい強い口調で言ってしまった夜でした。

(ああ、また怒っちゃった)

布団に入っても、罪悪感でいっぱい。

明日こそ優しいママになろう。

そう思いながら、隣の小さな寝顔を見ていたときでした。

「ママ、だいすき」

ふにゃっとした声で、もう一度。

今度ははっきり聞こえました。

心臓を、ぎゅっと掴まれた気がしました。

(こんなに怒ったのに)

(あんなに大きな声で叱ったのに)

それでも夢の中で、私のことを呼んでくれている。

子どもって、どうしてこんなに尊いんだろう。

涙が止まらなくなりました。

声を出さないように、口元を押さえて。

枕がじんわり濡れていくのを感じながら、私は娘の小さな手をそっと握りました。

ぷにぷにの、まだ赤ちゃんみたいな手。

あと何年、握らせてくれるのかな。

そう思ったら、また涙が出てきて。

明日も、きっとまた怒ってしまう。

完璧なママにはなれない。

でも。

今夜のこの一言は、一生忘れない。

そう心に刻みました。

朝、目覚めた娘はいつも通り。

「ママ、おなかすいた〜」と笑っています。

昨日の寝言のことなんて、もちろん本人は知らない。

(知らないままでいいよ)

(ママだけの宝物にするから)

そっと頭を撫でて、ぎゅっと抱きしめました。

子育ては、しんどい。

毎日、本当にしんどい。

でも、ふいに訪れるこういう瞬間が、私を生かしてくれる。

きっと、これからもそうなんだろうな。

尊い夜は、突然訪れる。

 

 

 

 

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