その26話目です

  当時の記憶を書くことに、
自分で思うよりもパワーをつかいあせる

毎回間があいてしまいますが…

       お付き合いくださいませ照れ



国立がんセンターでの話の後、


年明けの外泊許可を
                   無事過ごせた主人




その外泊許可へ向けて
    気力体力を集中してきたうえに、


外泊の4日間で
 気力体力をかなり使ってしまい、


その日を境に
   みるみる体力が落ちていった…




腹水は抜いても抜いても溜まり、
やせ細った体に腫れたお腹…

両足はパンパンに浮腫んで

ベッドに横になることも辛くなり、


朝から晩まで
        車椅子に座ったままで
1日を過ごす事が多くなった…


ベッドに横になると苦しくて眠れず

車椅子に座ったままだと
足の浮腫は悪化し…




食欲も無くなり、
ほとんど食べれなくなった主人は

これまでの経験や知識から
必要な栄養素を取る為の食品を
自分で把握していて、

私が病院に来る時に
ソレを持ってくるよう

       いつもメモに書いていた




主人が
ちょっとでも食べ物の事を言えば
とにかくソレを用意したかった


  少しでも食べる気になれるのかも…
  これならちょっとは食べれるかも…


そう思って
ひたすら買い集めたモノは


冷蔵庫や棚の中で
全く手をつけることなく
置かれたままになっている・・・


主人は
口の中が激しく荒れて
食べ物はもちろん、
飲み物さえも辛くなってしまっていた


薬のせいで喉はカラカラに乾く、
それだけど、
腹水&胸水で水分摂取に制限がある…



    そばにいて
    その状態の主人に何もできず…



痛みやダルさで
思うように体が動かず、
そのモヤモヤも解消できず
       イライラしている主人…


その主人の【気持ち】さえ
その頃の私は受け止められなかった


家と仕事場と保育園、
     そして病院…その行き来…


時間に追われて
心の余裕のない私は

ちょっとした事で
すぐにイライラしてしまっていた



そういう状況の中でも
時間だけは過ぎてゆき

自分のライブの日も近づいてくる…



毎日   毎日
仕事終わりに病院へ行き…
面会時間終了の放送が流れるまで

娘と 主人のそばにいた




以前のように

病院内をアチコチ歩き回ることは
ほとんど無くなり、

反対に 
病室で車椅子に乗ったまま
1日を終えることも増えてきた…



面会終了の時間になって
娘と病室を出ると

いつも届く主人からのメール

「家に帰ったら毎日体重を送る事」

主人は自分の体重が減ってるくせに
 私や娘の体重の事を気にしていた

私は 
この数ヶ月でみるみる体重が減り…
(今じゃなかなか減りもしないぼけー

娘は幼稚園の中でも小さく、
身長も体重も
育ち盛りにも関わらず
その当時 なかなか増えなかった…

(娘は主人の入院している時期、
ほとんど身長体重の増加がなかった…
    精神的な事が
    小さな身体に
ものすごく影響していると痛感…)


   その主人からのメールも
   ほとんど届かなくなってしまった



       文字を打つのがシンドイ…


そう主人は言っていたしょぼん





そんなある日・・・


いつものように
仕事終わりに娘と病院へ…


エレベーターをおり、
廊下を進んで
主人の病室へ・・・



          えっ? いない滝汗



主人がいない…というか、

6人部屋の主人のベッドだけ
人が使っていない状態に
キレイに片付いている・・・



         まさか・・・



心臓がバクバクした



     「あれ?パパいないね…」


そう娘の手を引きながらも


まさかの想像が、
恐ろしい想像が、
私の頭をよぎってしまった…チーン




  ふと、

ナースステーションから
担当医の方が出てきて


私に声をかけてきた





「ご主人、
    今日部屋を移られたんです…」




先生が向けた目線の先に、

部屋の中にいる
車椅子に座った主人の姿があった




  あっ、いた・・・照れ




主人の姿を目で確認し、
                    安心した・・・


そして
新たな不安と恐ろしさが湧いてきた



主人の移動していた部屋…



それは
この入院時 最初に入った部屋


「いつ何が起こってもおかしくない」
 「ある程度の覚悟はしてください」


そう言われた時入っていた部屋




ナースステーションの目の前で、
         扉がガラス張りの個室…



  『緊急時にすぐ対応できる場所』

  『医師や看護婦から
                          常に見える場所』
                       




状態が安定し、

相部屋に移れた主人は




再び この 

       【ガラス張りの個室】

                       移ってしまった…