『無かったこと』にしない為に…
誰かに、
少しでも他の誰かに
【あの出来事】を知って欲しくて…


 読んでもらえるだけで
本当にうれしく
                     有り難く思います


ダイヤオレンジダイヤグリーンダイヤオレンジダイヤグリーンダイヤオレンジダイヤグリーンダイヤオレンジダイヤグリーンダイヤオレンジダイヤグリーンダイヤオレンジ



                
仕事先のレストランで
1人ライブの時間をいただき、
翌年 年4回のライブが決定。


2月・5月・8月・10月…
すでに 公演月も決まっていた。



普段の生活はそれまで通り…


退院してからの
主人と私と娘の3人、


    仕事も     日常も


笑ったり爆笑怒ったりムキー

一緒に過ごしながら…


本番前は
いつも私の時間を作ってくれる主人


悪戦苦闘しながらも
娘と一緒に過ごしてくれてる主人






その主人が
再び 体の不調を訴え始めた…



ちょっとの具合悪さでは
こっちが心配しても


「大丈夫だよ」
「大したことないよ」


「オレが平気っていってんだから
                                 平気なの!」

と、
私が口を挟むスキを与えないほど

自分の不調を見せない主人。


その主人が、
目に見えて辛そうになってきた…




私達の中に

     もしかしたら…

       また…

という気持ちも起こった…





  

娘が幼稚園に入った時の事。

初めての運動会での『親子競技』


    パパ、ママ、子供…
   3人で一緒に参加する競技👨‍👩‍👧


よ~いドン銃
親子でスタートし

ある地点で
ママが子供のハチマキで目隠しをし、
パパとその場に待機

子供はそこから走って
その先にあるカゴからパンを取って
再び両親の元へ

そして
目隠ししたママと子供とを
パパが手を引き ゴールする


  という…そんな競技



その競技に
「娘の運動会初参加」の
主人と私は ワクワクドキドキで参加


よ~いドン銃

流れの記憶を辿りながら、
ドキドキとハチマキを…

「ちゃんと走れるかしら」
「転んじゃたりして💦」

目隠し状態の中
そんな事を考えてる私の耳に、



 「あ~っ
  

          と 主人の声。



なに、なに!?

ど~したの??
なにがあったの!?




 「あいつ、
   パン2個もってきた



 えっ、えっ、えっポーン


 やだぁ~
 なんで二つももってきてんのぉ~



  うちの娘は、

 「一つのパンを取って」

    親の元に戻るところを、

 「二つのパンを取って」

私達の元へ走ってきたようだった




  「一個おいてこいっ
  「もどせ、もどせっ」


笑ってる顔が浮かぶ声で
主人がそう叫んでいた


  
 その瞬間の写真は残ってる

娘はしっかりパン二つ持っているし、
主人は笑いながらカゴを指さしてて、
ハチマキの私は訳わからず…

隣のコースを走るよそのパパが
こっちを見て笑顔で写ってる



 後で聞いたら、
娘は「パパとママの分だから」
パンを二つ持ってきたんだと…

ルール云々ではなく、
娘の中で「2人分」だから「2つ」



予想外の展開になった親子競技は
写真に残っていなくても
スゴく思い出に残っている照れ








そんな 幼稚園の運動会。

年中さんになった娘の運動会。


主人の体調は思わしくない…ショボーン


日常生活を送りながら
仕事もしていたけれど、

目に見えてつらそうになっている…


病院を勧めても拒否をする

こっそり病院と連絡を取ろうものなら
ものすごい剣幕で怒った




自分の状態が分かっていたから
尚更 
病院を拒んでいたのかもしれない




その年の運動会…
主人は朝の仕事後にやってきたものの
競技に参加することは出来ず


結局…
幼稚園の親子競技は
あの時が最初で最後になった





そこから
主人の体調は
日に日に悪くなっていっていた…

仕事場でも
家でも


何度言っても
病院へ絶対に行こうとしない





 今更だけど…


 
 無理矢理にでも、
 大げんかしてでも、
 
 病院へ連れていけばよかった…



ホント 今更だけど…






そんな年…


それは
 私の
年4回のライブが決定している年…






2月、5月、8月、10月・・・




10月のライブが近づいたある日。


また
病院に行く、行かないの話で
2人で色々と話をしていた。



主人がふと、


 「お前のライブがあるから」 と。





主人は
私がライブをやることに
色んな負担がかからないに

今までずっと

   

     家にいてくれようとしていた




その主人が
本番当日の朝、




「病院に行く…」




        そう自分から言った。





「診察行って…
    途中 店にも連絡入れるから」



 
 店中が 

 ひたすら連絡を待つ中、




 刻刻と時間は過ぎ…




 年4回の 最後になる
 私のライブの本番が迫ってきた





まだ暗いステージに立ち
幕の向こうの客席のざわめきを聞き、
時間を待つ…

店長やスタッフの声が
あちこちで聞こえている…




         店の電話が鳴った




ざわついた店内の遠くで
店長が対応している気配がする…






 本番五分前…



MCの方がマイクを持った




「皆さん、こんばんは」



簡単な挨拶と
ライブ中の注意事項を話し始める…





その途中
ステージ脇から店長がやってきた




ステージ中央の私の元へきて
私の目を見て ささやいた





「そのまま入院です。って…」






 
幕の上がる直前、




私は

主人の再入院の決定を聞いた…






年4回のライブ最後の回の日は、




何年も前から頑張り続けた主人が

再び病院へ行った日…