お休みをいただき、テアトル梅田へ!

ご無沙汰してます。さてさて。筆者もバタバタしている中、久しぶりの更新となりました(汗)。

今回は、今泉力哉監督/城定秀夫脚本の「猫は逃げた」だー。

 

筆者はこの日、お休みをいただき、1人の時間を満喫するべく、ミニシアターに籠ると決めとりました。興味のあった映画が「テアトル梅田」で何本か上映されとりまして、その1作が「猫は逃げた」でした。

 

ちなみに、当日の鑑賞ラインナップは

①猫は逃げた(本命)

②林檎とポラロイド

③ポゼッサー

でした。

 

前にも書きましたかね、テアトルグループの会員(年会費1,000円)・TCGメンバーズになると、火曜・木曜は映画1本1,100円という破格で観れちゃうんですよね。つまり、筆者はもちろんメンバーなので、上記3本を3,300円で鑑賞してきましたー(安い笑)。

 

今泉・城定両監督のコラボ企画第2弾

てことですよね。

コラボ第1弾はこの2週間前くらいに公開になった、城定秀夫監督/今泉力哉脚本の「愛なのに」。両監督が監督と脚本を「猫は逃げた」の反対で制作した映画ですよね。

 

で、この「愛なのに」が面白かったんですよね。宇多丸師匠が「セックスコメディ」という表現してましたが、正にその通りで。その部分の面白さは手練れの2人なので、もちろん担保されてましたし、そのセックスに翻弄されながらも、セックスなしの純愛にかけてみる2人・・・というのがおかしくも爽やかに描かれてました!この辺りは城定監督のカラーを感じましたね。

監督・脚本の安定感もだが、役者陣の演技が見事

今回の企画、監督・脚本を担当する両監督を入れ替えてのコラボ2作の企画で、「この2人が組めば、そりゃ面白いっしょ」という安定感以上に、筆者は役者陣の演技が2作とも素晴らしいいと思いました!
 
肝はどちらの映画もセックスシーンで、本来なら濡れ場での「体当たり演技」にスポットが当たりそうなもんですが、両作ともそれは本質ではなく、大事なのはセックスの前後のシーンです。
 
とくに「後」のシーンの間抜けというか、シニカルというか、引いた目線での描き方は流石の両監督、素晴らしいです。(「愛してる」とかしょーもないセリフ出てきませんよ!笑)。そこにあるのは本当にあられもない男女の姿。
 
ただ、いくら脚本・演出が良くても、役者さんがそれを体現しなくちゃいけないわけで・・
そういう意味では、両作ともそのシーンを、見事に演じきった役者陣には拍手ですね。
 
ちなみに、「愛なのに」の個人的MVPは中島歩さん
 
いやー、この人、「受け」の演技が最高やね。
最近だと、「いとみち」のメイド喫茶の店長や、「偶然と想像」の1パート目の若きCEOかなんかを演じてました。今回の役どころは「偶然と想像」の方ですね。少しとぼけた2枚目。
今後、要チェックな俳優さんです!

で、「猫は逃げた」は・・・??

前置き長くなり、すみません(汗)。

じゃ、今回のコラボ第2弾はどうだったかといいますと・・・・個人的には第1弾超えですね!

(今作は今泉監督パワーかな?エンドロールでは脚本にもクレジットされてたし・・)

 

「愛なのに」がセックスを超えた「純愛」を描いているとしたら、「猫は逃げた」はセックスを超えた「暮らし」を描いていると思うのです。

 

前者は勢いもある分、すごく笑えて楽しめるのですが、後者は控えめながら、テーマの射程がよりグッと広がったというか。主人公夫婦のなんともいえない関係性=男女の関係性が、すごく秀逸に描かれていると思いました。

 

(ここからネタバレ含む)

 

この感覚は最近観た「フレンチ・ディスパッチ」にもある意味似ていると思っていて。

 

あの映画はウェス・アンダーソンが「人々の創作活動への情熱と希望は続く」ことを宣言した力作ですが、今作は今泉監督が「(猫が媒介する)人々の暮らし(出会いと別れ、さらに新たな出会いまで)・生活・営みは続く」ことをナチュラルに、しかし、深ーく捉えた秀作だと思うんですよね。前者は編集長が、後者は猫が亡くなりますしね。

 

それを、バキバキに決まった絵で魅せるウェスアンダーソンと、何気ないカットで切り取って魅せる今泉監督と、アプローチは大きく違うわけですが・・・

なんかそんな輪廻・再生的なところに両監督の共通点を見出し、本作に感動してしまった筆者でした。

 

もちろん、そんな堅苦しい映画ではなく、無茶苦茶リラックスして楽しく観れます◎

ラブホでの鏡演出/亜子の足のマッサージが上手いのは誰?/クライマックスで登場人物全員集合!の安定の今泉印↓/etc・・・

今泉監督の映画の雰囲気をきっちりと楽しめます!

そして、今作のベストアクトは・・・

個人的に、手島実優さんですね◎ 
筆者は初めて知りましたが、本人が猫のようなところもある、素晴らしい演技だったかと思います。小道具のハリボも効いてましたよねー。
(↓↓↓主役の毎熊克哉さんは、孤狼の血レベル2の存在感しかり、この俳優さんも注目です!)
 
てことで、ミニシアター系バリバリの本作、その射程とテーマはビッグで◎
是非×2劇場でウォッチしてください!!
(しかし、今年の邦画、面白いの多いな・・・)
 
今年暫定10位(10/52 配信作品・旧作含む)